「働く女性は必携!『不妊治療連絡カード』とは?」
『不妊治療連絡カード』とは、従業員と会社が互いに理解を進めるために欠かせない書類です。
厚生労働省が会社に使用を推奨するもので、治療を受ける人と会社の理解を推進するためにあります。
もちろん、不妊治療連絡カードがなくても不妊治療は続けられます。
治療を受けていることを秘密にしたいなら、無理に提出しなくても良いのかもしれません。(社則でカード提出が義務付けられている場合は提出して下さい)
しかし、不妊治療は長期戦になる可能性があります。いつ授かるかはだれにも分かりません。
仕事と治療の両立は、これからますます重要視されます。
会社の理解を得られると、時短勤務や在宅勤務など、より柔軟な働き方ができる可能性が高まります。ぜひご検討ください。
現在治療中の方はもちろん、これから治療を始める方でもカード作成はできます。
治療を受ける病院で作成を依頼して下さい。
『不妊治療連絡カード』が生まれた理由
厚生労働省が平成29年に行った調査では、5.5組に1組の夫婦が不妊治療を受けているという統計があります。
出典:厚生労働省「不妊治療と仕事との両立のための現状~」
https://www.youtube.com/watch?v=tzJBbIXU90M
特に女性の負担が強く、23%の女性が離職せざるを得ない状況でした。
通院回数の多さ、仕事と治療の両立、精神的な負担などが大きな負担になり、仕事が続けられないケースが少なくありませんでした。
少子化対策と労働環境改善のため、行政も一丸になって対策に乗り出しています。
その一つが「不妊治療連絡カードの提出、事業者と雇用者の情報共有」です。
会社側も、あなたが不妊治療を続けていると分かれば時短勤務や休暇の所得、リモートワークなど、さまざまな配慮ができます。
会社は厚生労働省から「指導」を受けているため、特に大企業は無視することは難しいでしょう。
意外と不妊治療に関する仕事上の配慮をしている会社は多いのです。
ぜひ一度は人事労務の担当者に相談して、就業規則など制度について確認をしてみましょう。
「使えるものは使う」ことで、妊活がとても楽になります。
カードは厚生労働省でフォーマットがありますが、これを必ず使う必要はありません。
会社独自のフォーマットがあれば、それを印刷して使用しましょう。
不妊治療連絡カードの作り方
不妊治療連絡カードは、不妊治療を受けている病院で作成してもらいます。
病院側でカードのフォーマットを準備していることもありますが、事前に自分でプリントアウトしたものを用意しましょう。
会社が指定するフォーマットがあれば、それをプリントアウトして持参します。
カード作成の補助情報として、主治医に以下を伝えて下さい。
・勤務日・勤務時間・業務の繁閑
・治療に必要な「実施(予定)時期」「配慮が必要な事項」等の記入
できるだけ明確に、詳しく書いてもらうと、会社との交渉がスムーズになります。
カードを受け取った後に、あなたは会社の上司か人事労務担当者に提出し、勤務上の希望を伝えます。
有休所得や勤務時間の配慮、リモートワーク、出張など客先訪問の可否など、不妊治療と仕事のバランスが取れる条件を相談しましょう。
会社によっては時短勤務申請書など、書類の提出を求められることもあります。
併せて、治療を受けている情報共有をどこまでに留めるか、情報共有を行います。
上司と労務担当者だけか、部内すべての人で共有するか、どの部署のだれまでは良いか、という話を共有することが大切です。
「診断書」のため、発行費用が有料になることも
不妊治療連絡カードで注意すべき点は数点あります。
まず、不妊治療連絡カードは、病院にとっては「診断書」に相当します。
診断書は有料で発行するものです。
病院によりますが診断書作成料は3,000円~5,000円ほど必要です。(金額の詳細は病院の受付で確認できます)
さらに、会社側も最大限の協力を厚労省から要請されていますが、あなたの要望が100%かなうとは限りません。
繁忙期ではどうしても仕事を頑張ってもらわないといけない事もあります。
不妊治療で休んだ分、治療がない日は同僚の仕事をフォローアップしましょう。
「困ったときはお互いさま」で、互いにフォローし合える関係を築いていくことが、仕事と治療の両立には欠かせません。
(参考サイト)
厚生労働省 不妊治療連絡カードをご活用ください!(PDF注意)
https://www.mhlw.go.jp/bunya/koyoukintou/pamphlet/dl/30b.pdf
厚生労働省「不妊治療と仕事との両立のために」
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_14408.html
このブログの執筆者
和歌山の不妊治療・妊活専門鍼灸院 矢野鍼灸整骨院 院長 矢野 泰宏
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