不妊治療で人工授精の成功率を高める「追いタイミング」とは？｜和歌山県和歌山市 不妊鍼灸専門の矢野鍼灸整骨院

不妊治療で人工授精の成功率を高める「追いタイミング」とは？

人工授精は、洗浄した精液を直接子宮に入れて妊娠を目指す治療法です。

日本では明治時代から行われている伝統的な治療法で、「一般不妊治療」の最終段階になる治療です。

射精障害や子宮頚管に問題がある場合は、まず人工授精から治療がスタートします。

婦人科で排卵日を正しく計測しながら行うタイミング療法でも、一定期間妊娠しない時もステップアップとして人工授精が選択されます。

人工授精は、排卵日2日前ごろに行うのが一般的です。

しかし、ただ人工授精をするだけでなく、追加して性交渉（難しい場合はシリンジ法でも）を行うと、妊娠率のアップが期待できます。

1回より2回のタイミングが妊娠率を上げる

人工授精後に性交渉したほうが良い理由は、「タイミング療法の妊娠率を上げる方法」を思い出すと良いでしょう。

人工授精は、タイミング療法の延長にある方法です。

確実に子宮まで届けられる、という点ではタイミング療法よりも確実ですが（精子が運動しない、または子宮頚管にトラブルがあると、精子は子宮までたどり着けません）、精子が自力で卵子までたどり着き、受精卵になるのは自然妊娠と変わりません。

タイミング療法では1回より2回のほうが妊娠率の上昇が見込めます。

女性の年齢によって妊娠率は左右されますが、1回だけのタイミングでは約25％、2回のタイミングで約30％まで上がります。

特に、人工授精を行う日は排卵日の1～2日前です。

これはタイミング療法で一番妊娠しやすい時期ですが、排卵日当日までは妊娠の可能性があります。

「人工授精＋次の日にタイミング」で、妊娠率の向上が期待できます。

人工授精の1日後に「追いタイミング」を

タイミング療法では1回より複数回のほうが妊娠率は向上します。

これは子宮内が精子にとっては過酷な環境で、精子の選抜が行われていることも一因です。

子宮内では精子を排除しようとする働きがあり、精子は精奨タンパク質SVS2という物質で防御します。

一部は生き延びられますが、多くの精子は子宮に排除され、ごく一部だけが選抜で選ばれるという仕組みであることが分かりました。

選抜される母数が多ければ多いほど、受精まで生き残る精子の数が増えます。

1回だけでは選抜戦でほぼ全滅する可能性もあるかもしれませんが、複数回なら選抜戦を耐えられる精子が増えます。

人工授精後、1～2日で排卵日を迎えますが、排卵までの期間が短ければ短いほど、排除される精子の数は少ないと考えられます。

人工授精後1日後に「追いタイミング」をすることで、選抜された精子の数が増えて受精しやすくなる環境が整います。

難しい場合はシリンジ法でも可

とは言え、人工授精の次の日のタイミングは、男性にとって大変かもしれません。

難しい場合はシリンジを使うのも良いと思います。

シリンジ法なら性交渉を行わなくてもタイミングが取れるので、仕事で忙しい時や調子が優れない時でも妊活できる優れものです。

病院でシリンジ法を対応しているなら、ぜひ主治医に相談してみましょう。非対応でも通販でシリンジを購入することはできます。

不妊治療をしているからタイミングは取らなくても良い、と考える方もいますが、それは誤りです。

少なくとも一般不妊治療（タイミング療法～人工授精まで）の範囲では、タイミングは適正な時期に複数回取るほうが妊娠しやすい傾向があります。

妊娠率アップのために大事なのは「人工授精後に精子を追加する」ことなので、夫婦仲はタイミング以外の時に深めるという考え方もあります。

お勤めと道楽は別と考えて、前向きに治療を続けていければと思います。

参考サイト
三軒茶屋ウイメンズクリニック　妊活の頻度はどれくらいがベスト？大切なのは回数よりもタイミング
https://www.sangenjaya-wcl.com/infertilitycolumn/pregnancy-frequency/

国立成育医療研究センター　新たに見つかった子宮内での精子選抜機構
https://www.ncchd.go.jp/press/2014/topic1403-1.html

このブログの執筆者

和歌山の不妊治療・妊活専門鍼灸院　矢野鍼灸整骨院　院長　矢野　泰宏

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