不妊治療の第一歩!タイミング法で自然妊娠を目指す完全ガイド
不妊に悩むご夫婦にとって第一段階となる「タイミング法」。この記事では、自然妊娠を目指すカップルが知っておくべき正確な基礎知識から実践方法まで徹底解説します。基礎体温の正しい測り方、排卵日の予測テクニック、最適な性交タイミングなど、妊娠確率を高めるための具体的なノウハウをご紹介。さらに、成功率を上げる生活習慣の改善ポイントや費用、期間の目安も明確にお伝えします。医療機関での治療に進む前に試したい、エビデンスに基づいた効果的なタイミング法で、赤ちゃんを授かるチャンスを最大化しましょう。
1. タイミング法とは?
不妊治療の第一歩として多くのカップルが取り組むのが「タイミング法」です。この方法は、自然妊娠を目指す基本的な治療法として広く知られています。
タイミング法は、女性の排卵日を予測して、その時期に合わせて性交を行うことで、妊娠の可能性を高める方法です。医学的に管理された状態で行われる場合もあれば、自宅で自己管理しながら実践することも可能です。
1.1 タイミング法の基礎知識
タイミング法について理解を深めるためには、いくつかの基礎知識が必要です。まずは定義や目的、そして実際のメリット・デメリットについて確認していきましょう。
1.1.1 タイミング法の定義と目的
タイミング法とは、女性の排卵日を特定し、その前後の受精可能な期間に性交渉を持つことで、妊娠確率を高める方法です。排卵日前後の約5日間は「妊娠可能期間」とされており、この期間に性交渉を行うことで、自然妊娠を目指します。
タイミング法は不妊治療の入り口として位置づけられており、比較的身体的負担が少なく、自然な形で妊娠を目指せる方法です。より高度な不妊治療(人工授精や体外受精など)に進む前に、まずはこのタイミング法から始めるケースが多いです。
タイミング法の主な目的は以下の通りです:
- 排卵のタイミングを正確に把握すること
- 妊娠可能性が最も高い時期に性交渉を持つこと
- 自然な方法で妊娠を目指すこと
- 基本的な不妊原因がないカップルの妊娠確率を上げること
1.1.2 タイミング法のメリット・デメリット
タイミング法には様々なメリットとデメリットがあります。これらを理解した上で取り組むことが大切です。
メリット | デメリット |
---|---|
身体的負担が少ない | 性交渉が義務的になりがち |
薬剤使用が最小限 | 精神的ストレスが生じることがある |
比較的費用が安い | 成功率は他の不妊治療に比べて低め |
自宅でも実践可能 | 正確な排卵日予測に手間がかかる |
自然な妊娠プロセス | 結果が出るまで時間がかかることがある |
タイミング法の最大のメリットは、ほぼ自然な形で妊娠を目指せることと、身体への負担が少ないことです。特に不妊治療初期のカップルや、軽度の不妊要因を持つカップルにとっては、まず試すべき方法といえるでしょう。
一方で、タイミング法のデメリットとして最も大きいのは、「セックスが義務化する」という心理的な側面です。排卵日に合わせて計画的に性交渉を持つことになるため、自然な愛情表現としての側面が薄れてしまうことがあります。また、「今日は排卵日だから」という義務感からパートナーに対するプレッシャーが生じることもあります。
1.2 誰に適している?タイミング法の対象者
タイミング法はすべてのカップルに適しているわけではありません。一般的に以下のようなケースでタイミング法が推奨されます:
- 妊活を始めたばかりのカップル
- 基礎的な不妊検査で特に大きな問題が見つからなかったカップル
- 女性の排卵は確認できるが、タイミングが合っていなかった可能性があるカップル
- 軽度の排卵障害や精子の質に問題があるカップル
- 年齢が比較的若い(特に女性が35歳未満)カップル
タイミング法は特に「原因不明不妊」と診断されたカップルに対して効果的な場合が多いです。これは、基本的な生殖機能には問題がないものの、排卵のタイミングと性交渉のタイミングが合っていなかっただけというケースです。
一方で、以下のようなケースではタイミング法だけでは妊娠が難しく、より高度な不妊治療を検討する必要があるかもしれません:
- 女性の卵管閉塞がある場合
- 重度の男性不妊(精子数の著しい減少や無精子症など)
- 高度な排卵障害がある場合
- 子宮内膜症が進行している場合
- 女性の年齢が高い(特に40歳以上)場合
タイミング法を始める前に、男女ともに基本的な不妊検査を受けることをおすすめします。これにより、タイミング法が適切な選択かどうかを判断することができます。
また、タイミング法を実践する期間としては、一般的に6ヶ月〜1年程度を目安とすることが多いです。この期間で妊娠に至らない場合は、次のステップとして人工授精や体外受精などの選択肢を検討することが推奨されています。特に女性の年齢が高い場合は、タイミング法にかける期間を短くして、早めに次のステップに進むことも選択肢の一つです。
タイミング法は、正しい知識と適切な実践方法を身につけることで、自然妊娠への可能性を高める有効な方法です。次章では、タイミング法を具体的にどのように実践するかについて詳しく解説していきます。
2. タイミング法の具体的な方法
タイミング法を効果的に実践するためには、排卵のタイミングを正確に把握することが重要です。以下では、基礎体温の測り方、排卵日の予測方法、そして実際の性交タイミングについて詳しく解説します。
2.1 基礎体温の測り方
基礎体温とは、体が完全に休息している状態での体温のことです。女性の場合、排卵の前後で基礎体温が変化するため、この変化を記録することで排卵日を予測することができます。
2.1.1 基礎体温計の種類と選び方
基礎体温を正確に測定するには、専用の基礎体温計を使用することが推奨されます。一般的な体温計とは異なり、基礎体温計は0.01℃単位で測定できる高精度のものが多いです。
現在市場には以下のような種類の基礎体温計があります:
種類 | 特徴 | 測定時間 | 価格目安 |
---|---|---|---|
電子式(予測式) | 短時間で測定でき、アラーム機能付きのものが多い | 約60秒 | 2,000円〜5,000円 |
電子式(実測式) | より正確な測定が可能だが時間がかかる | 約5分 | 3,000円〜6,000円 |
アプリ連動型 | スマートフォンと連動し、データを自動記録 | 約30秒〜1分 | 5,000円〜10,000円 |
婦人体温計(水銀式) | 古典的だが正確。最近は環境への配慮から減少 | 約5分以上 | 1,500円〜3,000円 |
基礎体温計を選ぶ際のポイントは以下の通りです:
- 測定精度(0.01℃単位で測定できるもの)
- 使いやすさ(操作が簡単で、表示が見やすいもの)
- データの記録機能(メモリー機能があると便利)
- アラーム機能(毎朝同じ時間に測定するのに役立つ)
- 耐久性(長期間使用することを考慮)
初心者の方には、使いやすさを重視して電子式の予測式基礎体温計がおすすめです。慣れてきたら、より精度の高い実測式やアプリ連動型に切り替えても良いでしょう。
2.1.2 正しい基礎体温の測定方法
基礎体温を正確に測定するためには、以下の点に注意しましょう:
- 毎朝、同じ時間に測定する(起床時、体を動かす前に)
- 測定前に水を飲んだり、会話したりしない
- 最低5時間以上の睡眠をとった後に測定する
- 測定方法(舌下、腋下、膣内など)を統一する(舌下が一般的)
- 測定結果はすぐにグラフや専用アプリに記録する
舌下で測定する場合は、舌の裏側(舌の根元付近)に体温計を置き、口を閉じて測定します。体温計が指示する時間(通常は3〜5分)、もしくはアラームが鳴るまでその状態を保ちます。
測定した基礎体温は、グラフに記録して変化を観察します。排卵前は低温期(約36.2〜36.5℃)、排卵後は高温期(約36.5〜36.8℃)と呼ばれる約0.3〜0.5℃の上昇が見られます。
基礎体温は最低でも2〜3周期(2〜3ヶ月)測定し続けることで、あなた自身の排卵パターンが把握できるようになります。忍耐強く継続することが大切です。
2.2 排卵日の予測方法
タイミング法の核心は、排卵日を正確に予測することです。以下にいくつかの予測方法を紹介します。
2.2.1 基礎体温の変化から排卵日を予測する
基礎体温グラフを観察することで、排卵日の予測が可能になります。一般的に、基礎体温が上昇する直前が排卵日と考えられています。
基礎体温から排卵日を予測する手順は以下の通りです:
- 最低3ヶ月分の基礎体温グラフを作成する
- 低温期から高温期への移行点を特定する
- 高温期に入る前日または前々日が排卵日の可能性が高い
- 自分の周期が安定しているかどうかを確認する
- 次の周期の排卵日を予測する(前回の排卵日から約同じ日数)
ただし、基礎体温だけでは排卵日の「後付け」になることが多いため、次回の排卵日予測には過去のデータを参考にする必要があります。そのため、他の方法と組み合わせることをおすすめします。
基礎体温グラフで特に注目すべきは、温度が急激に上昇する点です。この上昇の前日が排卵日である可能性が高いため、次回の周期ではこの日付を参考にすると良いでしょう。
2.2.2 排卵検査薬の使い方
排卵検査薬は、尿中の黄体形成ホルモン(LH)の濃度を測定するもので、排卵の24〜36時間前に起こるLHサージを検出します。これにより、基礎体温よりも事前に排卵日を予測することが可能です。
排卵検査薬の正しい使用方法:
- 予測排卵日の5日前から使用開始する
- 毎日同じ時間帯(午前10時〜午後2時頃が推奨)に検査する
- 検査前の2時間程度は水分摂取を控え、濃い尿で検査する
- 説明書に従い、正確に判定する(陽性は通常、テストラインが対照ラインと同じか濃い場合)
- 陽性反応が出たら、24〜36時間以内の排卵に備える
排卵検査薬のタイプ | 特徴 | 価格目安(10回分) |
---|---|---|
スティックタイプ | 尿をかけるだけで簡単に検査可能 | 2,000円〜4,000円 |
テストストリップ | 尿を採取して浸す方式。経済的 | 1,000円〜2,500円 |
デジタル式 | 「○」「×」など明確な表示でわかりやすい | 4,000円〜7,000円 |
排卵検査薬は基礎体温との併用がおすすめです。検査薬で陽性反応が出た後、実際に基礎体温が上昇することを確認すれば、より正確に排卵のタイミングを把握できます。
2.2.3 病院での排卵日予測
自己測定に加えて、産婦人科での検査も排卵日の予測に有効です。専門家による以下の検査が可能です:
- 経腟超音波検査:卵胞の大きさを測定し、成熟度を確認
- 血中ホルモン検査:エストロゲンやLHの濃度を測定
- 子宮内膜の状態確認:排卵に適した環境かどうかを判断
経腟超音波検査では、卵胞が18mm以上に成長すると排卵が近いと判断されます。また、複数回の検査を通じて卵胞の成長速度を測定することで、より正確な排卵予測が可能になります。
一般的に、月経開始から12日目頃から検査を始め、卵胞の成長に合わせて検査間隔を調整していきます。卵胞が十分に成長したら、次の排卵に備えるタイミングをアドバイスしてもらえます。
専門家による超音波検査は最も正確な排卵予測方法の一つです。特に自己測定だけでは排卵日の特定が難しい場合や、不規則な生理周期がある場合には非常に有効です。
2.3 性交のタイミング
排卵日が予測できたら、次は性交のタイミングを適切に設定することが重要です。精子は女性の体内で最大5日間生存できますが、卵子の寿命は排卵後約24時間と短いため、このウィンドウを逃さないようにする必要があります。
2.3.1 排卵日付近の性交頻度
排卵日前後の性交頻度については、以下のようなアプローチが考えられます:
アプローチ | 頻度 | メリット | デメリット |
---|---|---|---|
集中型 | 排卵日前5日〜排卵日の間に1日おき | 精子の質を維持しながら妊娠確率を高める | タイミングのプレッシャーによるストレス |
定期型 | 月経期間を除き週2〜3回程度 | 自然でリラックスした関係性を保てる | 排卵日に合わない可能性がある |
ハイブリッド型 | 通常は週1〜2回、排卵期には1日おき | バランスが良く、長期的な負担が少ない | 計画性が必要 |
男性側の精子の質を考慮すると、毎日性交するよりも1〜2日の間隔を空けた方が精子の質と量が確保できるという研究結果があります。特に男性側に精子の質や数に問題がある場合は、この間隔を意識することが重要です。
排卵期に過度に性交回数を増やすと、カップル双方に身体的・精神的な負担がかかり、かえって妊娠の可能性を下げる場合があります。無理のないペースで、楽しみながら続けられる頻度を見つけることが大切です。
2.3.2 ベストな性交のタイミング
研究によると、排卵日とその前2日間の性交が最も妊娠率が高いとされています。具体的なタイミングとしては:
- 基礎体温法で判断する場合:低温期の最後の2〜3日間
- 排卵検査薬で判断する場合:陽性反応が出た日とその翌日
- 超音波検査で判断する場合:成熟卵胞確認後24〜48時間以内
排卵のタイミングを正確に把握することに加えて、以下の点も考慮するとより効果的です:
- 朝よりも夕方から夜の性交の方が妊娠率が高いという研究結果もあります
- 性交後は10〜15分程度横になり、骨盤を少し高くすると精子が子宮に到達しやすくなります
- 潤滑剤を使用する場合は、精子に優しい「妊活用」と明記された製品を選びましょう
- 女性のオーガズムが精子の子宮内への移動を助けるという説もあります
タイミング法で最も重要なのは、性交を義務的なものにせず、夫婦やパートナー間のコミュニケーションと親密さを大切にすることです。過度のストレスは排卵や精子の質に悪影響を与える可能性があります。
以上の方法を組み合わせることで、タイミング法の成功率を高めることができます。基礎体温測定、排卵検査薬の使用、そして適切な性交タイミングを把握することで、自然妊娠への道が開けるでしょう。
3. タイミング法を成功させるための秘訣
タイミング法は比較的シンプルな不妊治療法ですが、その効果を最大化するためには日常生活の様々な側面に気を配る必要があります。
ここでは、タイミング法の成功率を高めるために役立つ生活習慣の改善点やサプリメントの活用法、そしてパートナーの協力について詳しく解説します。
3.1 生活習慣の改善
妊娠しやすい体づくりのためには、日々の生活習慣の見直しが非常に重要です。
特に食事、睡眠、ストレス管理の3つの要素は、女性の排卵や子宮内環境に大きな影響を与えます。
3.1.1 食事
バランスの取れた食事は、ホルモンバランスの安定や卵子の質の向上に直結します。
妊活中に特に意識したい栄養素には以下のようなものがあります:
栄養素 | 主な効果 | 含まれる食品 |
---|---|---|
葉酸 | 卵子の質向上、神経管閉鎖障害の予防 | ほうれん草、ブロッコリー、レバー、枝豆 |
鉄分 | 貧血予防、卵巣機能の維持 | レバー、赤身肉、ひじき、小松菜 |
亜鉛 | 卵子の質向上、排卵促進 | 牡蠣、牛肉、ナッツ類、チーズ |
タンパク質 | ホルモンバランスの調整 | 肉、魚、卵、大豆製品 |
オメガ3脂肪酸 | 血流改善、炎症抑制 | 青魚(サバ、サーモンなど)、亜麻仁油 |
一方で、控えるべき食品・飲料もあります:
- カフェイン(1日200mg以下を目安に)
- アルコール(できれば完全に断つことが理想的)
- 加工食品(添加物や保存料が多く含まれるもの)
- トランス脂肪酸を多く含む食品
食事の際には、腹八分目を心がけ、規則正しい時間に食事をすることも大切です。
3.1.2 睡眠
質の高い睡眠は、ホルモンバランスを整える上で非常に重要な要素です。
特に女性ホルモンの分泌は睡眠と密接に関連しているため、良質な睡眠が排卵の質を高めることにつながります。
理想的な睡眠のためのポイントは以下の通りです:
- 毎日同じ時間に就寝・起床する
- 寝室は18〜23℃の適温に保つ
- 就寝1時間前にはスマートフォンやパソコンの使用を控える(ブルーライトをカット)
- 就寝前のカフェインやアルコールを避ける
- リラックスできる入浴を就寝1〜2時間前に行う
特に基礎体温測定のためには、最低でも連続5〜6時間の睡眠が必要です。
睡眠が不足すると、ストレスホルモンであるコルチゾールの分泌が増加し、生殖機能に悪影響を及ぼす可能性があります。
3.1.3 ストレス管理
過度のストレスは排卵障害や月経不順の原因となり、タイミング法の成功率を下げる要因になります。
ストレスがホルモンバランスに与える影響は想像以上に大きいため、効果的なストレス管理は妊活において重要な鍵となります。
ストレス軽減のために取り入れたい習慣:
- 定期的な軽い運動(ウォーキング、ヨガ、ストレッチなど)
- 趣味や好きなことに時間を使う
- 深呼吸やメディテーション
- アロマテラピー(ラベンダー、イランイランなどのリラックス効果のある精油)
- 妊活仲間との交流(SNSやコミュニティサイトの活用)
妊活中は「早く妊娠しなければ」というプレッシャーを感じやすいものですが、そのこと自体がストレスとなり、妊娠しにくい体質を作ってしまうというパラドックスが生じます。
焦らず、自分のペースで妊活を進めることが大切です。
3.2 サプリメントの活用
食事だけでは十分に摂取しにくい栄養素を補うため、サプリメントの活用も検討するとよいでしょう。
ただし、すべてのサプリメントが安全というわけではないため、過剰摂取には注意が必要です。
3.2.1 葉酸
葉酸は、妊活中から妊娠初期にかけて特に重要な栄養素です。
厚生労働省の推奨では、妊娠を希望する女性は通常の食事に加えて、1日400μgの葉酸を摂取することが望ましいとされています。
葉酸の主な効果:
- 胎児の神経管閉鎖障害のリスク低減
- 卵子の質の向上
- 着床環境の改善
- 流産リスクの低減
葉酸サプリメントを選ぶ際のポイント:
- モノグルタミン酸型(還元型)葉酸を選ぶ
- ビタミンB6、B12との併用で効果が高まる
- 天然由来のものを選ぶ
- 添加物が少ないもの
葉酸は妊娠前から摂取を始め、妊娠12週頃まで継続することが推奨されています。
3.2.2 マカ
マカは南米ペルーの高地で栽培されるアブラナ科の植物で、古くから「妊娠力を高める食品」として知られてきました。
マカに含まれる様々な栄養素は、女性のホルモンバランスを整え、妊娠の可能性を高める効果が期待されています。
マカの主な効果:
- 女性ホルモンバランスの調整
- 子宮内膜環境の改善
- 血行促進
- 抗酸化作用
- ストレス軽減
マカサプリメントの選び方と摂取方法:
- 有機栽培のものを選ぶ
- 黒マカが特に女性の妊活に適しているとされる
- 粉末、カプセル、錠剤など、自分に合った形状を選ぶ
- 妊娠判明後は医師に相談の上、継続するかどうか判断する
マカを含む多くのサプリメントは医薬品ではなく健康食品であるため、効果には個人差があります。
また、マカ以外にも、以下のようなサプリメントが妊活に役立つとされています:
サプリメント | 期待される効果 | 摂取上の注意点 |
---|---|---|
CoQ10(コエンザイムQ10) | 卵子の質の向上、ミトコンドリア機能改善 | 脂溶性のため食事と一緒に摂取するとよい |
ビタミンE | 血行促進、子宮内膜環境の改善 | 過剰摂取に注意 |
鉄分 | 卵巣機能の支援、貧血予防 | お茶と一緒に摂取すると吸収が悪くなる |
DHA・EPA | 血流改善、炎症抑制 | 魚アレルギーがある場合は注意 |
3.3 男性側の協力
タイミング法の成功には、女性の努力だけでなく男性側の協力も不可欠です。
男性不妊の要因も全体の約30%〜40%を占めると言われており、カップルで協力して妊活に取り組むことで成功率が高まります。
3.3.1 精子の質を高める生活習慣
精子の生成には約3ヶ月かかるため、生活習慣の改善効果が現れるまでにも同程度の期間が必要です。
男性が取り入れたい生活習慣改善ポイント:
- 適度な運動(週3〜4回、30分程度の有酸素運動)
- 十分な睡眠(1日7〜8時間)
- 禁煙(喫煙は精子の数、運動性、形態に悪影響)
- アルコール摂取の制限(週に2〜3日は休肝日を設ける)
- 高温環境を避ける(長時間の入浴、サウナ、パソコンの膝上使用など)
- きつい下着を避け、ゆったりとしたボクサータイプを選ぶ
精子の質を高める食事のポイント:
栄養素 | 精子への効果 | 含まれる食品 |
---|---|---|
亜鉛 | 精子の数や運動率の向上 | 牡蠣、牛肉、卵、ナッツ類 |
セレン | 精子の運動性向上、DNA保護 | ブラジルナッツ、マグロ、卵 |
リコピン | 精子の形態改善、抗酸化作用 | トマト、スイカ、ピンクグレープフルーツ |
ビタミンC | 精子の凝集防止、DNA保護 | 柑橘類、キウイ、パプリカ |
L-カルニチン | 精子の運動性向上 | 赤身肉、乳製品 |
男性向けのサプリメントとしては、亜鉛、セレン、L-カルニチン、CoQ10、L-アルギニンなどが注目されています。
また、男性も禁煙することで、精子の質が改善するだけでなく、パートナーの受動喫煙を防ぐことができます。
喫煙は女性の卵子の質にも悪影響を及ぼすことが知られています。
男性側の協力は精子の質向上だけでなく、タイミング法に伴う心理的プレッシャーの軽減にも役立ちます。
女性にとっては「排卵日だから」という義務感からの性交渉ではなく、自然な形でのコミュニケーションが大切です。
パートナーとのオープンな対話を通じて、お互いにストレスを感じない妊活を心がけましょう。
4. タイミング法の費用と期間
タイミング法は自然妊娠を目指す不妊治療の入り口として多くのカップルが選択する方法です。他の不妊治療と比較して医療介入が少ないタイミング法ですが、実際にかかる費用や妊娠までの期間について正確に把握しておくことが大切です。
4.1 タイミング法にかかる費用相場
タイミング法は基本的に自然妊娠を目指す方法ですが、より効果的に実施するためにいくつかの費用がかかることがあります。
まず基本的な費用としては、排卵日を正確に把握するために必要となる道具や検査にかかる費用が中心となります。
項目 | 費用相場 | 備考 |
---|---|---|
基礎体温計 | 1,500円〜5,000円 | 一般的な婦人体温計から高機能なものまで |
排卵検査薬 | 3,000円〜5,000円/月 | 1シート5〜10回分が一般的 |
産婦人科での超音波検査 | 3,000円〜5,000円/回 | 保険適用の場合(診察料含む) |
ホルモン検査 | 5,000円〜10,000円/回 | 保険適用の場合 |
葉酸サプリメント | 1,000円〜3,000円/月 | 女性が摂取する場合 |
マカサプリメント | 2,000円〜5,000円/月 | 男性または女性が摂取する場合 |
タイミング法を実施する上で最低限必要なのは基礎体温計のみで、これだけであれば初期費用は数千円程度です。しかし、より正確に排卵日を把握するために排卵検査薬を併用したり、専門家のサポートを受けることでより効果的に行うことができます。
タイミング法を産婦人科の指導のもとで行う場合は、通院する頻度にもよりますが、1周期あたり月額1万円〜2万円程度の費用がかかることが一般的です。これには診察料、超音波検査、必要に応じたホルモン検査などが含まれます。
特筆すべき点として、タイミング法は健康保険が適用される治療法です。そのため、人工授精や体外受精などの高度生殖医療と比較すると、かなり費用を抑えることが可能です。
4.2 妊娠までの期間の目安
タイミング法での妊娠までの期間は個人差が大きく、年齢や基礎疾患の有無、原因となる不妊要因によって大きく異なります。
一般的には、健康な夫婦が自然な状態で性交渉を持つ場合、約80%のカップルが1年以内に妊娠すると言われています。タイミング法を効果的に実施すれば、この確率をさらに高めることができる可能性があります。
年齢層 | タイミング法による妊娠率(6か月) | タイミング法による妊娠率(1年) |
---|---|---|
20代 | 約50〜60% | 約70〜80% |
30〜34歳 | 約40〜50% | 約60〜70% |
35〜39歳 | 約30〜40% | 約40〜60% |
40歳以上 | 約10〜20% | 約20〜30% |
これらの数値はあくまで目安であり、個人の健康状態や不妊の原因によって大きく変わることを理解しておく必要があります。
タイミング法を試みる期間の目安としては、年齢によって異なりますが、一般的には6か月〜1年ほど継続することが推奨されています。
- 35歳未満の場合:12ヶ月継続してみて妊娠しない場合は、次のステップの治療を検討
- 35歳以上の場合:6ヶ月継続してみて妊娠しない場合は、次のステップの治療を検討
- 40歳以上の場合:3〜6ヶ月継続してみて妊娠しない場合は、より積極的な治療を検討
年齢が高くなるほど妊娠率は低下し、妊娠までの期間も長くなる傾向があります。特に女性の年齢は妊娠のしやすさに大きく影響するため、35歳以上の場合はタイミング法で長期間様子を見るより、早めに次のステップに進むことを検討した方が良いケースもあります。
タイミング法で重要なのは継続性です。基礎体温の測定や排卵検査薬の使用を毎月継続することで、自分の体のリズムを把握し、最適なタイミングでの妊娠チャンスを増やすことができます。
また、タイミング法は精神的なストレスを感じやすい治療法でもあります。「今月こそは」という思いが強くなりすぎると、かえってストレスになり妊娠の妨げになることもあります。リラックスした状態で取り組むことも成功への大切な要素です。
なお、タイミング法での妊娠が難しい場合は、人工授精や体外受精などの次のステップの不妊治療に進むことを検討することになります。これらの高度生殖医療は妊娠率が高くなる一方で、費用も高額になりますので、経済的な準備も含めて計画的に考えることが重要です。
タイミング法は費用対効果の高い不妊治療の第一歩として、多くのカップルに選ばれています。正確な知識と適切な実践方法を身につけることで、自然妊娠への近道となるでしょう。
5. タイミング法のよくある質問
5.1 Q&A よくある質問
タイミング法に関して多くの方が疑問や不安を抱えています。ここでは、実際によく寄せられる質問とその回答をまとめました。
5.1.1 タイミング法で妊娠する確率はどのくらい?
タイミング法による妊娠確率は、年齢や健康状態によって大きく異なります。
一般的に、健康な20代のカップルがタイミング法を正しく実践した場合、1周期あたりの妊娠確率は約20〜25%と言われています。
30代前半では15〜20%程度、30代後半になると10%前後に低下します。
40代以降はさらに確率が下がり、5%以下となることも少なくありません。
年齢 | 1周期あたりの妊娠確率(目安) | 半年継続した場合の累積妊娠率 |
---|---|---|
20代 | 20〜25% | 約75% |
30代前半 | 15〜20% | 約60% |
30代後半 | 10%前後 | 約45% |
40代以降 | 5%以下 | 約25%以下 |
ただし、これらはあくまで平均的な数値であり、個人差が大きいことを理解しておきましょう。
5.1.2 タイミング法はどのくらいの期間続けるべき?
タイミング法を続ける期間の目安は年齢によって異なります。
35歳未満の場合は、12ヶ月(1年間)タイミング法を実践しても妊娠しない場合に、次のステップの不妊治療を検討するのが一般的です。
35歳以上の場合は、6ヶ月間試みても妊娠しない場合に次の治療ステップを考慮することが推奨されています。
40歳以上の場合は、時間的制約を考慮して、早めに専門家に相談することが望ましいでしょう。
ただし、既知の不妊要因がある場合や、月経不順など何らかの問題がある場合は、年齢に関わらず早めに専門的な検査や治療を検討することが大切です。
5.1.3 タイミング法中の性生活の頻度はどれくらいが理想的?
タイミング法における性生活の理想的な頻度については、さまざまな見解があります。
一般的には、排卵日の2〜3日前から排卵日にかけて、1〜2日おきに性交渉を持つことが推奨されています。
精子は女性の体内で3〜5日程度生存できるため、排卵の少し前に体内に入っていることが理想的です。
ただし、毎日の性交渉は必ずしも妊娠率を高めるわけではなく、男性の精子の質・量の観点からは、1〜2日間隔が最適とされています。
また、排卵日に限定して性交渉を持つよりも、排卵前の数日間にわたって複数回の機会を持つ方が、妊娠の可能性は高まると考えられています。
5.1.4 タイミング法中の体位は関係ある?
タイミング法における体位については、科学的に「これが最も効果的」と証明された体位はありません。
ただし、精子が子宮頸管を通過しやすくするという観点から、いくつかの工夫が提案されています:
- 射精後、女性が仰向けになって10〜15分程度横になることで、精子が子宮に到達する可能性が高まるとされています
- 腰の下に小さな枕などを敷いて、骨盤を少し高くするのも良いとされています
- いわゆる「正常位(男性が上、女性が下)」が、精子が子宮口付近に届きやすいという意見もあります
しかし、これらの方法に科学的根拠が乏しいことも事実です。最も大切なのは、ストレスなく自然な性生活を維持することです。
5.1.5 排卵日を過ぎたら妊娠の可能性はない?
排卵日を過ぎると、妊娠の可能性は大幅に低下しますが、完全にゼロというわけではありません。
卵子の寿命は排卵後約24時間と短いため、排卵から1日以上経過すると、その周期での妊娠の可能性は非常に低くなります。
一方、排卵日の予測は完全に正確ではなく、予測よりも実際の排卵が遅れることもあります。基礎体温や排卵検査薬で「排卵した」と判断した後でも、実際はまだ排卵していないケースもあります。
そのため、排卵日と思われる日の後1〜2日も、念のために性交渉の機会を持っておくことは無意味ではありません。
5.1.6 タイミング法中に気をつけるべきことは?
タイミング法を実践する際に気をつけるべきポイントには以下のようなものがあります:
- ストレスを溜めないこと:「今日が排卵日だから必ず性交渉しなければ」というプレッシャーは、かえってストレスとなり、妊娠の妨げになることがあります。できるだけリラックスした状態を保ちましょう。
- 過度な性生活の計画化を避ける:あまりにも機械的なスケジュールに従うと、夫婦生活の楽しさが失われ、長期的には続けにくくなります。
- 適切な潤滑剤を選ぶ:一般的な潤滑剤の中には精子の運動性を阻害するものもあります。必要な場合は妊活向けの潤滑剤を選びましょう。
- 排卵後に性交渉がなかったからといって落胆しない:1周期で妊娠できなくても、次の周期に期待しましょう。健康なカップルでも、妊娠までに数ヶ月かかることは珍しくありません。
5.1.7 タイミング法で妊娠しない場合、次のステップは?
タイミング法を一定期間試しても妊娠しない場合、次のようなステップを検討することが考えられます:
- 不妊検査を受ける:男性・女性双方の基本的な検査を受けることで、妊娠を妨げる要因があるかどうかを調べることができます。
- 人工授精(AIH):タイミング法の次のステップとして、排卵日に合わせて専用の器具で精子を子宮内に直接注入する方法です。
- 排卵誘発剤の使用:排卵が不規則または不確実な場合、薬によって排卵を促進することで妊娠の可能性を高める方法もあります。
- 体外受精(IVF):より高度な不妊治療として、体外で卵子と精子を受精させ、胚を子宮に戻す方法があります。
次のステップに進む時期の目安は以下の通りです:
年齢 | タイミング法を試す期間 | 次のステップを検討する時期 |
---|---|---|
35歳未満 | 12ヶ月 | 1年経過後 |
35〜39歳 | 6ヶ月 | 半年経過後 |
40歳以上 | 3〜6ヶ月 | 早めに専門家に相談 |
5.1.8 タイミング法は精神的に辛くなることがある?
タイミング法を続けていると、精神的に辛さを感じることがあります。これは決して珍しいことではありません。
計画的な性生活は自然な営みからかけ離れ、「義務」のように感じられることがあります。また、毎月の排卵日前後は緊張感が高まり、妊娠しなかった際の落胆も大きいものです。
これに対処するためには:
- パートナーと正直に気持ちを共有する
- 必要に応じて「タイミング法をお休みする月」を設ける
- 妊活仲間や専門家に気持ちを打ち明ける
- リラクゼーション法(ヨガ、瞑想など)を取り入れる
何より、「妊娠するのが当たり前」という考えから脱却し、プロセスを楽しむという視点を持つことが重要です。妊活は夫婦で協力して取り組むライフイベントととらえましょう。
5.1.9 タイミング法中の旅行や入浴は問題ある?
タイミング法実践中の日常生活について、よく質問される内容を整理しました:
活動 | 影響と注意点 |
---|---|
旅行 | 基本的に問題ありません。むしろリフレッシュ効果があります。ただし、排卵日前後の重要な時期と重ならないよう計画するとよいでしょう。 |
入浴(通常) | 通常の入浴は問題ありません。むしろリラックス効果があります。 |
熱い湯船やサウナ | 男性の場合、精巣は体温より低い温度で機能するため、長時間の高温浴は精子の質に影響する可能性があります。適度な温度と時間を心がけましょう。 |
運動 | 適度な運動は血行を促進し、ホルモンバランスを整えるのに役立ちます。過度な高強度トレーニングは避けるのが無難です。 |
性交渉後のシャワー | 性交渉直後のシャワーや入浴は、精子が子宮に到達する機会を減らす可能性があります。可能であれば30分程度は横になってから行うとよいでしょう。 |
基本的には、極端に生活を変える必要はなく、リラックスできる環境を整えることが大切です。
5.1.10 排卵検査薬の陽性が続く場合は?
排卵検査薬が複数日にわたって陽性反応を示すケースがあります。これについて理解しておくべきポイントは以下の通りです:
多くの場合、LH(黄体形成ホルモン)のサージ(急増)は24〜48時間続くことがあり、その間検査薬は陽性を示します。通常、LHサージの開始から24〜36時間後に排卵が起こると言われています。
ただし、以下のような理由で陽性が長く続くことがあります:
- 多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)などのホルモン異常
- 閉経前の時期(ペリメノポーズ)
- 排卵しなかった周期(無排卵周期)
- 検査薬の感度が高すぎる場合
対処法としては:
- 最初に陽性反応が出た日から数えて、通常は翌日か翌々日が最も妊娠可能性の高い日と考えられます。
- 基礎体温との併用:基礎体温の上昇が確認できれば、排卵が起きた証拠になります。
- 3周期以上連続して排卵検査薬の異常が見られる場合は、専門家に相談することをお勧めします。
5.1.11 タイミング法中の市販薬の服用は大丈夫?
タイミング法実践中の市販薬服用については、いくつか注意点があります:
一般的な解熱鎮痛剤(イブプロフェンなど)は、排卵や受精に影響を与える可能性があるため、特に排卵前後は可能な限り避けることが望ましいです。
風邪薬や胃腸薬なども、含まれる成分によっては生殖機能に影響する可能性があります。
必要な場合は、以下のポイントを心がけましょう:
- 可能な限り薬の服用は必要最小限にする
- パッケージの説明書きで「妊娠中または妊娠の可能性がある方」への注意事項を確認する
- 複数の薬を併用する場合は特に注意する
- 持病の薬がある場合は、事前に専門家に相談する
体調不良時の薬の使用を完全に避けるのではなく、必要な場合は適切に使用し、その上で妊活との兼ね合いを考慮することが重要です。
5.1.12 ストレスは妊娠に影響する?
ストレスと妊娠の関係については、多くの研究が行われています:
過度のストレスは、視床下部-下垂体-卵巣の軸(ホルモンの調節系)に影響を与え、排卵の遅延や不規則な月経につながる可能性があります。
また、慢性的なストレスは免疫系にも影響し、受精卵の着床に影響する可能性も指摘されています。
男性側でも、強いストレスは精子の質や量に影響することがわかっています。
ただし、日常的な軽いストレスが直ちに妊娠に悪影響を及ぼすわけではありません。むしろ「ストレスが妊娠に影響する」と過剰に心配することで、新たなストレスを生み出してしまう悪循環に注意が必要です。
ストレス管理のためには:
- 適度な運動(ウォーキング、ヨガなど)
- 十分な睡眠と休息
- 趣味や楽しい活動の時間を確保する
- 必要に応じてマインドフルネスや瞑想を取り入れる
- パートナーや信頼できる人と気持ちを共有する
これらの方法を取り入れ、心身のバランスを整えることが、結果的に妊活にもプラスに働くでしょう。
6. タイミング法以外の不妊治療
タイミング法で妊娠に至らない場合、より積極的な治療法へ進むことが選択肢となります。不妊治療は段階的に進めていくのが一般的で、タイミング法の次に考慮されるのは人工授精や体外受精などの高度生殖医療です。
6.1 人工授精
人工授精(AIH:Artificial Insemination with Husband’s semen)は、タイミング法で妊娠に至らなかったカップルが次に選択することが多い治療法です。
この方法では、男性から採取した精子を特殊な処理で濃縮・洗浄し、女性の排卵日に合わせて子宮内に直接注入します。これにより、自然な性交よりも多くの精子を卵子の近くまで送り込むことができます。
人工授精の最大のメリットは、精子が子宮頸管粘液の障壁を通過する必要がなくなるため、軽度の男性不妊や原因不明不妊に効果を発揮する点です。
通常、人工授精は外来で10〜15分程度で終わる比較的負担の少ない処置です。麻酔も必要なく、処置後すぐに日常生活に戻れます。
6.1.1 人工授精の流れ
人工授精の一般的な流れは以下の通りです:
- 排卵日の予測(基礎体温や超音波検査、排卵誘発剤の使用など)
- 排卵日当日または前日に男性パートナーから精液を採取
- 精液の洗浄・濃縮処理
- 細いカテーテルを使って子宮内に精子を注入
6.1.2 人工授精の成功率と費用
人工授精の成功率は年齢や不妊原因によって異なりますが、一般的に1回あたり約5〜15%程度と言われています。
年齢 | 妊娠率(1回あたり) | 妊娠率(累積/3〜6回) |
---|---|---|
30歳未満 | 約10〜15% | 約30〜40% |
30〜34歳 | 約8〜12% | 約25〜35% |
35〜39歳 | 約5〜10% | 約20〜30% |
40歳以上 | 約2〜5% | 約10〜15% |
費用については、保険適用の場合、1回あたり5,000〜8,000円程度の自己負担で受けられることが多いです。令和4年4月からは、不妊治療の保険適用範囲が拡大されており、条件を満たせば人工授精も保険診療の対象となりました。
6.1.3 人工授精のメリットとデメリット
人工授精を検討する際は、以下のメリットとデメリットを理解しておくことが大切です:
メリット | デメリット |
---|---|
比較的低侵襲で負担が少ない | 成功率はさほど高くない |
自然な妊娠に近い形で妊娠できる | 複数回の実施が必要になることが多い |
タイミング法より確率が高い | 精神的なストレスがかかることがある |
費用が比較的抑えられる | 年齢が上がると成功率が低下する |
一般的に、人工授精は3〜6回程度試みても妊娠に至らない場合は、次のステップである体外受精への移行を検討することが多いです。
6.2 体外受精
体外受精(IVF:In Vitro Fertilization)は、タイミング法や人工授精で妊娠に至らなかった場合に検討される高度生殖医療技術です。
体外受精は女性の体から卵子を取り出し、培養皿の中で精子と受精させた後、受精卵(胚)を子宮内に戻すという方法で、1978年に世界初の「試験管ベビー」誕生以来、世界中で数百万人の赤ちゃんがこの技術によって生まれています。
6.2.1 体外受精の適応となるケース
体外受精が適応となる主なケースには以下のようなものがあります:
- 卵管の問題(閉塞や癒着など)
- 中等度〜重度の男性不妊(精子の数や運動率が著しく低いなど)
- 子宮内膜症
- 原因不明不妊で他の治療法が奏功しない場合
- 女性の高齢(35歳以上)で早期の妊娠が望まれる場合
6.2.2 体外受精の流れ
体外受精の一般的な流れは以下の通りです:
- 排卵誘発剤の投与(複数の卵胞を発育させるため)
- 卵胞発育のモニタリング(超音波検査と血液検査)
- 卵子の採取(局所麻酔または静脈麻酔下で実施)
- 精子の採取と調整
- 受精(通常の体外受精またはICSI)
- 胚培養(受精確認から胚盤胞まで約5〜6日間)
- 胚移植(子宮内に胚を戻す)
- 黄体補充(着床をサポートするホルモン投与)
- 妊娠判定(胚移植から約2週間後)
最近では、採卵した卵子をすべて受精・培養後に凍結保存し、後日解凍して移植する「全胚凍結・融解胚移植」という方法も一般的になってきています。この方法により、排卵誘発剤の影響を受けていない状態の子宮内膜に胚を移植できるというメリットがあります。
6.2.3 顕微授精(ICSI)
顕微授精(ICSI:Intracytoplasmic Sperm Injection)は体外受精の一種で、精子を直接卵子に注入する方法です。
通常の体外受精では、培養皿に卵子と精子を一緒に入れて自然な受精を待ちますが、顕微授精では顕微鏡下で1つの精子を選び、細い針で卵子内に直接注入します。
これは特に以下のケースで有効です:
- 精子の数が極めて少ない場合
- 精子の運動性が著しく低い場合
- 精子の形態異常が多い場合
- 通常の体外受精で受精しなかった経験がある場合
6.2.4 体外受精の成功率と費用
体外受精の成功率は年齢や不妊原因によって大きく異なります。一般的な傾向として:
年齢 | 妊娠率(1回あたり) | 出産率(1回あたり) |
---|---|---|
35歳未満 | 約40〜45% | 約30〜35% |
35〜37歳 | 約35〜40% | 約25〜30% |
38〜40歳 | 約25〜30% | 約15〜20% |
41〜42歳 | 約15〜20% | 約10〜15% |
43歳以上 | 約5〜10% | 約5%以下 |
費用に関しては、令和4年4月からの保険適用拡大により、条件を満たせば体外受精・顕微授精も保険診療の対象となりました。保険適用の場合、1回のサイクルで自己負担額は約10〜20万円程度となることが多いです(3割負担の場合)。ただし、年齢や回数に制限があります。
6.2.5 体外受精のメリットとデメリット
体外受精を検討する際は、以下のメリットとデメリットを理解しておくことが重要です:
メリット | デメリット |
---|---|
他の治療法よりも成功率が高い | 身体的・精神的負担が大きい |
多くの不妊原因に対応できる | 卵巣過剰刺激症候群などの合併症リスク |
余剰胚の凍結保存が可能 | 多胎妊娠のリスク(複数胚移植の場合) |
胚の遺伝子検査が可能(PGT) | 保険適用でも費用負担がある |
6.3 その他の高度生殖医療
体外受精以外にも、特定の状況に応じて以下のような治療法が考慮されることがあります:
6.3.1 凍結胚移植
体外受精で作られた胚を一度凍結保存し、後日解凍して子宮に移植する方法です。これにより、排卵誘発剤の影響を受けていない自然な子宮内膜の状態で胚移植を行うことができます。
近年では新鮮胚移植より凍結胚移植の方が妊娠率が高いとする研究結果もあり、多くの施設で標準的な方法となりつつあります。また、余剰胚を凍結しておくことで、1回の採卵で複数回の移植チャンスを得られるメリットもあります。
6.3.2 胚盤胞培養・移植
受精卵を通常より長く(5〜6日間)培養し、胚盤胞と呼ばれる発達段階まで成長させてから移植する方法です。
胚盤胞は着床能力が高く、自然に近い状態で子宮に到達するタイミングで移植できるため、妊娠率の向上が期待できます。また、自然淘汰される胚を事前に除外できるため、移植胚数を減らしながらも妊娠率を維持し、多胎妊娠のリスクを低減できる利点があります。
6.3.3 着床前遺伝子検査(PGT)
体外受精で作られた胚の一部の細胞を採取し、遺伝子検査を行うことで、染色体異常や特定の遺伝性疾患がないことを確認してから移植する方法です。
特に以下のようなケースで検討されることがあります:
- 習慣性流産の既往
- 高齢妊娠(特に40歳以上)
- 重篤な遺伝性疾患の保因者
- 反復着床失敗
ただし、日本では保険適用外の治療法であり、倫理的な配慮も必要とされる治療法です。
6.3.4 第三者の関与する生殖医療
日本では法整備が進められている段階ですが、以下のような第三者の関与する生殖医療も世界的には行われています:
- 精子提供による人工授精や体外受精
- 卵子提供による体外受精
- 代理母(日本国内では認められていません)
2021年に「生殖補助医療の提供等及びこれにより出生した子の親子関係に関する民法の特例に関する法律」が制定され、精子・卵子提供で生まれた子の法的親子関係が明確化されましたが、実施については様々な倫理的課題や法的制約があります。
6.4 不妊治療の段階的アプローチ
不妊治療は一般的に、以下のような段階的アプローチで進められます:
- 生活習慣の改善と基本検査:まずは基礎体温測定や不妊検査を行い、生活習慣を見直します
- タイミング法:自然な妊娠を目指して排卵日に合わせた性交を行います
- 排卵誘発剤:排卵に問題がある場合は、薬剤で排卵を促します
- 人工授精:精子を子宮内に直接注入する方法を3〜6回程度試みます
- 体外受精・顕微授精:より積極的な高度生殖医療に進みます
それぞれのカップルの状況(年齢、不妊原因、不妊期間など)によって、どの段階から治療を始めるか、どのくらいの期間をかけるかは異なります。特に女性の年齢が35歳以上の場合は、早めにステップアップすることが推奨されることもあります。
不妊治療は身体的・精神的・経済的負担が大きいことも事実です。パートナーとよく話し合い、自分たちに合った治療法を選択していくことが大切です。また、必要に応じて不妊カウンセリングを利用することも検討するとよいでしょう。
7. まとめ
タイミング法は不妊治療の基本となる方法で、排卵日を予測して計画的に性交を行うことで自然妊娠を目指します。基礎体温の測定や排卵検査薬の活用により排卵日を特定し、その前後の適切なタイミングで性交することが成功の鍵です。また、バランスの良い食事、十分な睡眠、ストレス管理などの生活習慣の改善も重要です。タイミング法は比較的低コストで自然な方法ですが、3〜6ヶ月程度試しても妊娠に至らない場合は、人工授精や体外受精などの次のステップを検討することも大切です。不妊治療は夫婦で協力して取り組むべきものであり、医師と相談しながら最適な方法を見つけることが成功への近道となります。
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