移植後の安静期間はどのくらい？不妊治療の移植後の生活　矢野鍼灸整骨院｜和歌山県和歌山市 不妊鍼灸専門の矢野鍼灸整骨院

移植後の安静期間はどのくらい？不妊治療の移植後の生活　矢野鍼灸整骨院

移植した後はなんとなく安静にしたほうが良いと考えがちです。

実際はどうなのでしょうか？

さまざまな統計により、安静にしても普段と変わらない生活をしても、着床率に変化がないことが分かっています。

普段と同じ生活をしながら、妊娠判定日まで待つのが良さそうです。

移植後は安静にしなくても良い？

ひと昔前までは、移植後には安静にする方針の病院が多かったようです。

その時代の情報を読んで、移植後に安静にしなければいけない！と考える方がいるかもしれません。

しかし今では移植後は特に安静にしなくても着床率に変化がないことが明らかになりました。

普段と同じ通りの生活を送り、判定日までマイペースで過ごすのが一番です。

念のため、激しい運動は引けることを指導することはありますが、移植後は普段と同じように指導する病院がほとんどです。

せっかく移植したのに転がり落ちたら…と不安になるかもしれませんが、子宮の中は簡単に落ちない仕組みになっています。

子宮内膜には細かい毛がたくさん生えていて、胚の滑り止めの役目があります。

さらに子宮の前後で挟み込むような構造なので、よほど無理な活動をしなければ落ちることはないでしょう。

・移植後すぐに帰宅OK

・移植後に20～60分ほどベッドで安静にする

など、移植後の対処は病院によって様々です。

希望者だけリカバリールームのベッドで休める病院もあります。

自然妊娠も普段と同じ生活で妊娠が成立します。

体外受精の移植でも妊娠のメカニズムは同じです。

軽めに身体を動かしながら、判定日を楽しみに待ちたいですね。

喫煙はダメ！激しい運動も控えましょう。

移植後に限りませんが、妊活中に絶対辞めたいのは喫煙です。

移植後にタバコを吸うのは止めましょう。

禁煙してから妊活に入るのが望ましく、それほど喫煙は妊活の妨げになります。

喫煙が妊活に良くないのは煙草に含まれるニコチンは血管を激しく縮め、血流を大きく阻害するためです。

ご自身が吸うのはもちろんダメですが、家族が喫煙家で受動喫煙するのもNGです。

喫煙家の家族には、できるだけ禁煙を勧めましょう。

無理な場合は屋外で吸ってもらうなど、分煙を徹底することが大切です。

逆に言えば、喫煙以外はふだんと同じ生活をして問題ありません。

家に閉じこもって体を動かさないと、ネガティブな感情に押し流されて感情が不安定になりかねません。

きちんと感染対策をした上で、人が少ない屋外や換気の良い場所なら安心して過ごせるでしょう。

激しい運動を控えるように指導する病院もあります。

控える理由には様々ありますが、卵巣が腫れてダメージが残っていることも理由の一つ。

激しい運動をすると卵巣がねじれ、血行不良や激しい腹痛を起こすことがあります。

ひどい場合は手術しなければならず、母体に大きな負担になります。

運動の種類は、よほど負荷が強いものでなければ特に制限はありません。

ただ、下腹部の振動が良くないという理由で、自転車を控えるように指導されることがあるようです。

身体が冷えやすい水泳も、気になるなら控えたほうが良いかもしれません。

黄体ホルモン剤の服用で感じる変化

移植後に厄介なのは、黄体ホルモン剤の補充でしょう。

移植後に通院して注射をする、1日3回膣剤を入れるなど、普段に比べて多くの黄体ホルモンが補充されます。

そのため、ふだんは感じない体の変化に悩まされることがあります。

・体温が高い

黄体ホルモンの影響で基礎体温がしっかりと上がり、普段より熱っぽく感じることはよくあります。

これは黄体ホルモン剤が効いている証拠で、37℃以上でなければまず問題ありません。

念のため毎日検温して、外出中や仕事中はマスクをしましょう。

万が一感染症にかかっていても他人に感染させないように心がけましょう。

・倦怠感、軽い腹痛、胸が張る、白いおりものが出る

黄体ホルモンは妊娠しやすい身体作りを担うホルモンです。

これらの症状は黄体ホルモンの典型的な副作用なので、できるだけゆっくり休んで体力回復に努めましょう。

おりものは悪臭がなく、粘液状のものならまず問題ありません。

ただし以下の症状がある時は卵巣過剰刺激症候群（OHSS）のおそれがあります。

ただちに病院に連絡して指示を仰ぎましょう。

病院からは24時間ダイヤルが渡されているはずです。

深夜でも症状が強いときはためらわずに連絡しましょう。

・小水の回数が著しく減った

・息苦しい、寝ているより座っているほうが楽

・ウエストがキツく感じるほどお腹が張る

・胃のあたりが痛い（卵巣が腫れて痛いと感じている可能性があります）

移植後数日経てば、ほぼ普段と同じ生活ができます。

移植した日は少量の出血があるのでシャワーにする、移植日から数日は夫婦生活を控えるなどする必要はありますが、数日経てば特に制限はありません。

無理のない範囲で仕事をして、適度に体を動かしましょう。

アルコールやカフェインのドリンクも少量なら楽しめます。（カフェイン飲料は1日1～2杯ほどが目安）

できるだけ規則正しい生活を心がけて、腹巻やレッグウォーマーを付けて冷やさないようにしましょう。

どうしても思い詰めてストレスになりがちですが、なるようになると運命に委ねるマインドを心がけると良いかもしれません。

（参考サイト）
津田沼IVFクリニック　胚移植後の安静
http://www.tsudanuma-ivf-clinic.jp/blog/1847

名古屋大学　愛知県不妊専門相談センター　不妊・不育Q&A
https://www.med.nagoya-u.ac.jp/obgy/afsc/aichi/faq/ans/060901_6.html

幸町IVFクリニック　胚移植後の安静の必要性と、帰宅後の注意点について
https://www.saiwaicho.com/lab/786/

このブログの執筆者
和歌山の不妊治療・妊活専門鍼灸院　院長　鍼灸師　矢野　泰宏

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