葉酸サプリは今日から服用しましょう。妊活に必要なサプリ①葉酸　矢野鍼灸整骨院｜和歌山県和歌山市 不妊鍼灸専門の矢野鍼灸整骨院

葉酸サプリは今日から服用しましょう。妊活に必要なサプリ①葉酸　矢野鍼灸整骨院

葉酸は厚生労働省が妊活中の女性にサプリメントでの摂取を推奨する、唯一の栄養素です。

「栄養はバランスの良い食事から摂取を」と啓発する立場の厚労省が、サプリメントでの摂取を推奨するには理由があります。

ここでは葉酸のはたらきとサプリメントで摂取するほうが良い理由を紹介します。

葉酸はお腹の赤ちゃんの成長に必須の栄養素

葉酸はビタミンBの一種で、細胞分裂をサポートする大事な栄養素。

より正確に表現すると、「細胞増殖する際にDNAを合成するはたらきがある」栄養素です。

DNAは生命の設計図で、すべての細胞に埋め込まれています。

DNAがなければ細胞は組み立てることができません。

そのため生きている限り、一定量の葉酸が必要になります。

着床した赤ちゃんは、約2ヶ月で急激な成長を遂げます。

特に妊娠初期は、神経をつくる大事な時期。

神経の成長がうまくいかないと、健康に大きな問題を起こすことがあります。

成長した背骨の中の神経はやがて筒のように丸まり、管状になり完成します。

この「筒になる最終段階」がうまくいかないと、神経管閉塞障害という症状が起こります。

特に脊椎がうまく閉塞しない「二分脊椎」という症状が起こりやすいと言われています。

二分脊椎と分かれば、生まれてすぐに大規模な手術を行うなど、大変な負担を強いられます。

閉塞できなかった場所によってどのような障害が出るか左右されますが、水頭症、背骨が歪む、歩行障害などで生活に大きな支障を起こすことがあります。

イギリスの統計では、妊娠初期の女性に葉酸サプリを摂取したところ、この症状の7割以上を防ぐことが分かりました。
（遺伝的影響は20～30％と言われ、これを防ぐのは難しいと言われています）

ちなみに、神経管閉塞障害はビタミンAの過剰摂取でもリスクが上がると言われています。

ビタミンAはレバー、うなぎの肝などに含まれる栄養素で、脂溶性（水に溶けない）ため体内に蓄積しやすい性質があります。

不足すると夜盲症（暗い場所でほとんど見えなくなる）などを起こしますが、過剰摂取は控えましょう。

サプリメントの成分表をよく見て、ビタミンAを多く含むものを避けることも必要です。

日本で市販される妊活用サプリは、ビタミンAを過剰に含まないように配慮されています。

葉酸は赤血球の形成もサポートします

葉酸には、妊活するお母さんのためにも役立つ栄養素です。

特に、赤血球の形成に欠かせません。

赤血球は全身に酸素と栄養を運ぶ大事な血球です。

赤血球が足りないと貧血を起こしますが、貧血の自覚症状がなくても子宮や卵巣への血流が減ると、妊活の妨げになるおそれがあります。

貧血には鉄分、というのが基本ですが、鉄分は赤血球の材料です。

材料だけ積み上げても、DNAという設計図がなければ赤血球をつくることはできません。

鉄分サプリに葉酸などが添加されていることが多いのは、このためです。

葉酸は、食品からの摂取が難しい栄養素

葉酸は水に溶ける性質があります。熱に弱く、調理するとすぐに壊れてしまいます。

そのため、食事だけで十分に摂取できるとは限りません。

葉酸を多く含む食品はイチゴ、とうもろこし、ほうれん草、海苔、枝豆や納豆など大豆製品、玉露、レバーなど、多岐にわたります。

しかし、これらに含まれる葉酸はそのまま体内に吸収されません。

食品に含まれる葉酸は体内に取り込みにくい性質があり、これを体内に取り込みやすいように体内で代謝する必要があります。

代謝すると、本来あった栄養素が減ってしまいます。

どの程度減るかは様々な条件で変わるので、どれだけ食事に気をつけても葉酸が足りるとは限りません。

「たっぷりイチゴを食べたから大丈夫！」と断言できないのが、葉酸摂取の難しいところです。

サプリメントに含まれる葉酸は、はじめから吸収、利用されやすい形で配合されています。

厚労省が「葉酸はサプリメントで摂取が望ましい」と言うのは、食品の葉酸が不安定で十分な摂取が難しいのが最大の理由です。

葉酸サプリの摂取は妊活中～妊娠初期まで

葉酸サプリはいつまで摂取すべきでしょうか？

お腹の赤ちゃんが神経を作り終える、妊娠初期の終わりごろ（おおよそ20週）までが望ましいと言われています。

原則的に、妊娠中はバランスの良い食事を中心に栄養摂取をするのが良いとされ、サプリメントなどは極力控えるように指導されます。

食事から適正量が摂取しにくい葉酸は、唯一の例外です。

20週を超えても葉酸サプリを摂取したい時は、必ず主治医に相談して下さい。

妊娠初期には人体の大切な場所ができる大事な時期ですが、妊娠中期に入るといよいよ本格的に身体が成長します。

葉酸サプリの摂取は20週ごろで卒業ですが、それ以降も食品で積極的に葉酸が多い食品をバランス良く摂取しましょう。

妊娠初期に比べて葉酸の摂取量が多少不安定になりますが、食品からでも摂取できます。

葉酸は細胞分裂に欠かせない栄養素です。

身体を作る材料になるタンパク質や、代謝を促すエネルギーになる適度な量の炭水化物や脂質、各種ビタミン、ミネラルと同時に摂取することで、葉酸も効率よく代謝できます。

葉酸は過剰摂取してもすぐに排出されますが、過剰摂取は赤ちゃんに悪影響が出るかもしれません。

オーストラリアでは妊娠後期にサプリメントで1日1,000μg以上摂取した場合、赤ちゃんが小児喘息を起こしやすくなったという報告があります。

食品の葉酸に比べてサプリメントは体内に吸収されやすいので、過剰摂取を起こしやすいのです。

葉酸に限らず、妊娠中はサプリメントの過剰摂取は絶対に控えましょう。

（参考サイト）
厚生労働省e-ヘルスネット「葉酸とサプリメント～」
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/food/e-05-002.html

難病医学研究財団　難病情報センター　二分脊椎（平成23年度）
https://www.nanbyou.or.jp/entry/2216

森永製菓「葉酸の働きと摂取量の目安～」
https://www.morinaga.co.jp/protein/columns/detail/?id=228&category=health

ヒロクリニック「妊娠中の葉酸摂取はいつからいつまで？【医師監修】」
https://www.hiro-clinic.or.jp/nipt/folic-acid/#c5

このブログの執筆者

和歌山の不妊治療・妊活専門鍼灸院　院長　鍼灸師　矢野　泰宏

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