妊活中にローションを使うのは妊娠率に影響はある？それともない？　矢野鍼灸整骨院

薬局で市販されているローション（膣潤滑ゼリー）は精子の運動性が悪化する、という報告があります。

では妊活にローションを使ってはいけない、と考えるかもしれませんが、それは誤りです。

市販品のローションを使っても妊娠率に大きな悪影響がないことが証明されています。

性交の苦痛を緩和するローションは妊活、特に自然妊娠を目指す妊活にはプラスになります。

無理ない範囲で活用すると良いでしょう。

それでも心情的に気になる方は、精子の運動率に悪影響を与えにくいミネラルオイルベース、化粧品にも使われる増粘剤のヒドロキシエチルセルロースを入れたローションを使うと良いでしょう。

妊活でローションを使うのが良い理由は「妊娠のチャンスが増えるから」

不妊治療中の若いご夫婦

自然妊娠は、性交の回数で大きく左右されます。

妊娠率は年齢などで大きく変わりますが、排卵までの間に何度性交したかで妊娠確率は変化します。

健康な男女が、排卵までの期間に1回だけ性交した場合は25％、2回30％、3回以上35％という報告があります。

1回と3回で10％も妊娠率が上がるのは、注目すべき点でしょう。

ローションは潤いをサポートし、心身にダメージを与えず性交を増やせる簡単な方法の一つ。

無理なく自然妊娠を目指したいなら、活用すべきでしょう。

試験管の試験と、実態は大きく変わります

体外受精のイラスト

試験管の試験では、市販のローションに精液を入れると運動率が下がることが分かっています。

だったら市販品は使わないほうが良いのか、と言えばそうではありません。

市販のローションを使っても妊娠のしやすさに差はないことが分かっています。

避妊や不妊治療を受けていない18～49歳の不妊症の既往がない妊活中の女性6,467人を対象にした調査によると、うち17.5％がローションを使用していました。

使用者と未使用者を比較したところ、潤滑剤の使用による大きな悪影響は見られませんでした。

出典：Lubricant use during intercourse and time-to-pregnancy: A prospective cohort study
Kathryn A. McInerney,a Kristen A. Hahn,a Elizabeth E. Hatch,a Ellen M. Mikkelsen,b Anne Z. Steiner,c Kenneth J. Rothman,a,d Henrik T. Sørensen,a,b Thala M. Snerum,e and Lauren A. Wisea

試験管の中の試験と実態が異なることはよくあります。

なぜ市販のローションで妊娠率に大きな悪影響を与えないのかは分かっていませんが、子宮頚管までローションが届きにくい、精子が子宮頚管を通り抜けるスピードはローションの悪影響より勝るなどの仮説があります。

もしローションに避妊効果があるなら、昔からローションを避妊剤として活用する文化があったはずです。

そのような話は聞いたことがないので、ローションが妊娠の悪影響を与える影響はほぼないと考えます。