不妊治療ではどっちを選ぶべき?人工授精と体外受精のメリット・デメリットの違いを徹底解説

人工授精と体外受精のどちらを選ぶべきか迷っている方に向けて、両治療法の違いからメリット・デメリット、費用、成功率まで徹底比較します。不妊原因や年齢、身体的負担を考慮した治療選択の判断基準と、実際に治療を受けた夫婦の体験談もご紹介。この記事を読むことで、あなたに最適な治療法を見つけるための具体的な指針が得られます。
1. 人工授精と体外受精の基本的な違いとは
不妊治療において、人工授精と体外受精は代表的な治療法ですが、その仕組みや対象となる症例には明確な違いがあります。両者の違いを正しく理解することで、自分にとって最適な治療選択ができるようになります。
1.1 人工授精(AIH)の基本的な仕組み
人工授精は、排卵のタイミングに合わせて精子を子宮内に直接注入する治療法です。体内での受精を前提とした、比較的自然に近い方法として位置づけられています。
治療の流れは以下の通りです:
| 段階 | 内容 | 期間 |
|---|---|---|
| 排卵誘発 | 薬剤を使用して排卵をコントロール | 月経開始から約10-14日 |
| 精子採取・調整 | 当日朝に精子を採取し、運動性の高い精子を選別 | 採取当日 |
| 注入処置 | 細いカテーテルを使って子宮内に精子を注入 | 約5-10分 |
人工授精では受精から着床まで自然の過程に委ねるため、身体への負担が少なく、通院回数も比較的少ないのが特徴です。
1.2 体外受精(IVF)の基本的な仕組み
体外受精は、卵子と精子を体外で受精させ、培養した胚を子宮内に戻す治療法です。受精の過程を体外で行うことで、より確実な妊娠を目指す高度な治療となります。
治療の主要な工程は以下の通りです:
| 工程 | 内容 | 期間目安 |
|---|---|---|
| 卵巣刺激 | 注射薬により複数の卵子を育てる | 約10-14日 |
| 採卵 | 経腟的に針を刺して卵子を採取 | 約20-30分 |
| 体外受精 | 採取した卵子と精子を培養皿で受精 | 1-6日 |
| 胚移植 | 育った胚を子宮内に戻す | 約5-10分 |
体外受精では受精の確認ができるため、受精障害などの原因不明の不妊に対しても効果的です。また、余った良質な胚は冷凍保存が可能で、次回以降の治療に活用できます。
1.3 治療の適応となる症例の違い
人工授精と体外受精では、対象となる不妊の原因や症例が大きく異なります。
| 治療法 | 主な適応症例 | 推奨される条件 |
|---|---|---|
| 人工授精 | 軽度の男性不妊 頸管粘液異常 性交障害 原因不明不妊 |
卵管の通過性が良好 年齢35歳以下 精子の状態が比較的良好 |
| 体外受精 | 卵管性不妊 重度の男性不妊 子宮内膜症 人工授精での妊娠不成功 |
卵巣機能が保たれている 子宮環境に大きな問題がない 重篤な基礎疾患がない |
人工授精は自然妊娠に近い条件が整っている場合の第一選択となることが多く、一般的に5-6回程度実施した後、妊娠に至らない場合は体外受精へのステップアップが検討されます。
一方、体外受精は人工授精では対応困難な不妊原因や、年齢的な要因で妊娠率の向上が必要な場合に適応となります。特に40歳以上では、人工授精をスキップして体外受精から開始することも少なくありません。
2. 人工授精のメリット・デメリット詳細解説

人工授精は不妊治療の中でも比較的負担が軽い治療法として位置づけられています。治療を検討される際は、メリットとデメリットを正しく理解することが重要です。
2.1 人工授精のメリット
2.1.1 身体への負担が軽い
人工授精では排卵誘発剤の使用が最小限で済むため、身体への負担が軽減されます。多くの場合、自然な排卵周期を利用して行うため、ホルモン注射による副作用のリスクが低く抑えられます。
治療時間も短く、実際の人工授精処置は10分程度で完了します。日常生活への影響も少なく、治療当日から通常の活動を続けることができます。
2.1.2 費用が比較的安い
人工授精の費用は1回あたり約1万円から3万円程度と、他の不妊治療と比較して経済的負担が軽くなっています。2022年4月からは保険適用となり、3割負担で治療を受けることが可能になりました。
| 項目 | 保険適用前 | 保険適用後(3割負担) |
|---|---|---|
| 人工授精(1回) | 15,000円~30,000円 | 5,000円~10,000円 |
| 精液検査 | 3,000円~5,000円 | 1,000円~1,500円 |
2.1.3 自然妊娠に近い形での治療
受精から着床までのプロセスは自然妊娠と同じであることが人工授精の大きな特徴です。精子を子宮内に直接注入することで精子の移動距離を短縮し、受精の確率を高めますが、その後の受精・分割・着床は自然の力に委ねられます。
このため、妊娠に対する心理的抵抗感が少なく、治療への取り組みやすさがあります。
2.2 人工授精のデメリット
2.2.1 成功率が体外受精より低い
人工授精の妊娠率は1回あたり約5%から10%程度と、体外受精と比較すると低い数値となっています。年齢が上がるにつれて成功率はさらに低下する傾向があります。
| 年齢 | 人工授精妊娠率(1回あたり) | 累積妊娠率(6回まで) |
|---|---|---|
| 30歳未満 | 8-10% | 30-40% |
| 30-34歳 | 7-9% | 25-35% |
| 35-39歳 | 5-7% | 15-25% |
| 40歳以上 | 2-3% | 5-10% |
2.2.2 適応症例が限られる
人工授精が有効とされるのは、精子の運動率や濃度に軽度の問題がある場合や、子宮頸管因子による不妊に限られます。卵管閉塞や重度の男性不妊、卵巣機能低下などの場合は適応外となることが多く、より高度な治療が必要になります。
また、原因不明不妊の場合でも、人工授精で改善が期待できるケースは限定的です。一般的に5回から6回程度実施しても妊娠に至らない場合は、治療のステップアップを検討することが推奨されています。
治療のタイミングも排卵日に合わせて正確に行う必要があり、排卵予測の精度によって成功率に影響が出る可能性があります。
3. 体外受精のメリット・デメリット詳細解説

体外受精は人工授精と比較して、より高度な生殖補助医療技術です。卵子と精子を体外で受精させる治療法のため、人工授精では対応できない様々な不妊原因に効果を発揮します。ここでは体外受精の具体的なメリットとデメリットを詳しく解説していきます。
| 項目 | 体外受精の特徴 | 人工授精との比較 |
|---|---|---|
| 妊娠率 | 35歳未満で約40-45% | 人工授精の約3-4倍高い |
| 適応範囲 | 幅広い不妊原因に対応 | より多くの症例で実施可能 |
| 治療期間 | 1周期約2-3週間 | 人工授精より準備期間が長い |
3.1 体外受精のメリット
3.1.1 妊娠率が人工授精より高い
体外受精の最大のメリットは、人工授精と比較して格段に高い妊娠率です。35歳未満の女性の場合、1回の体外受精で約40-45%の妊娠率が期待できます。これは人工授精の妊娠率(約10-15%)と比較すると、約3-4倍高い数値となっています。
年齢別の妊娠率も人工授精より優位性があり、35-37歳で約35-40%、38-40歳で約25-30%の妊娠率が報告されています。特に年齢が高くなるにつれて、人工授精との差はより顕著になる傾向があります。
3.1.2 幅広い不妊原因に対応可能
体外受精は、人工授精では対応できない様々な不妊原因に治療効果を発揮します。卵管因子による不妊、重度の男性不妊、原因不明不妊など、幅広い症例で実施可能です。
特に以下のような場合に有効性が高いとされています:
- 両側卵管閉塞や卵管周囲癒着
- 重度の乏精子症や精子無力症
- 子宮内膜症による不妊
- 原因不明不妊で人工授精を複数回実施しても妊娠に至らない場合
3.1.3 受精の確認ができる
体外受精では、卵子と精子が確実に受精したかどうかを直接確認できます。これにより、受精障害の有無を把握でき、次回以降の治療方針決定に重要な情報を得られます。
受精確認により、必要に応じて顕微授精(ICSI)への変更も可能となり、男性不妊が原因の場合により効果的な治療を選択できるメリットがあります。
3.2 体外受精のデメリット
3.2.1 身体的・精神的負担が大きい
体外受精は人工授精と比較して、身体的・精神的負担が格段に大きい治療法です。排卵誘発のための注射を連日行う必要があり、治療期間中の通院回数も多くなります。
身体的負担として以下が挙げられます:
- 連日の排卵誘発剤注射による痛みや腫れ
- 採卵時の痛みや出血
- 卵巣過刺激症候群(OHSS)のリスク
- 胚移植後の安静期間
精神的負担も大きく、治療の複雑さや高い期待値から生じるストレス、妊娠判定までの不安感などが挙げられます。
3.2.2 費用が高額
体外受精の費用は人工授精と比較して大幅に高額となります。1回の治療で約30-50万円程度の費用が必要となり、人工授精の約10-20倍のコストがかかります。
2022年4月から保険適用となったものの、以下の制限があります:
- 年齢制限:治療開始時43歳未満
- 回数制限:40歳未満は6回まで、40-43歳未満は3回まで
- 適応基準の条件を満たす必要がある
保険適用外となる場合や、保険適用回数を超えた場合は全額自己負担となるため、経済的な負担は大きくなります。
3.2.3 副作用のリスクがある
体外受精では排卵誘発剤の使用により、様々な副作用のリスクが伴います。最も注意すべきは卵巣過刺激症候群(OHSS)で、重症化すると入院治療が必要になる場合もあります。
主な副作用として以下があります:
- 卵巣過刺激症候群(OHSS):腹部膨満、急激な体重増加、呼吸困難
- 多胎妊娠のリスク:双胎妊娠率が自然妊娠の約10倍
- 採卵時の合併症:出血、感染、隣接臓器損傷(まれ)
- ホルモン変動による情緒不安定、頭痛、吐き気
これらの副作用は適切な管理により予防・軽減可能ですが、治療前に十分な説明を受け、リスクを理解した上で治療を開始することが重要です。
4. 費用と保険適用の違いを比較

不妊治療を検討する際、費用面での負担は重要な判断材料となります。2022年4月から人工授精と体外受精の両方で保険適用が開始され、経済的負担が大幅に軽減されました。
4.1 人工授精の費用と保険適用状況
人工授精は保険適用により3割負担で受けられる治療となっています。
| 項目 | 保険適用前 | 保険適用後(3割負担) |
|---|---|---|
| 1回あたりの費用 | 15,000~30,000円 | 5,000~9,000円 |
| 回数制限 | なし | なし |
| 適応条件 | 特になし | 医学的に必要と認められる場合 |
人工授精は年齢による制限もありません。
4.2 体外受精の費用と保険適用状況
体外受精も保険適用により大幅に費用負担が軽減されています。
| 治療内容 | 保険適用前 | 保険適用後(3割負担) |
|---|---|---|
| 採卵・体外受精 | 300,000~500,000円 | 100,000~150,000円 |
| 胚移植 | 50,000~100,000円 | 15,000~30,000円 |
| 胚凍結保存 | 30,000~50,000円 | 10,000~15,000円 |
体外受精の保険適用回数制限は、40歳未満では通算6回(1子につき)、40歳以上43歳未満では通算3回となっています。
4.3 助成金制度の活用方法
高額療養費制度の適用により、月額負担上限額を超えた分は還付されます。また、自治体独自の助成制度を併用することで、さらに負担を軽減できる場合があります。
| 制度 | 対象 | 内容 |
|---|---|---|
| 高額療養費制度 | 保険適用治療 | 月額負担上限額を超えた分を還付 |
| 自治体助成金 | 地域により異なる | 保険適用外費用の一部補助 |
| 医療費控除 | すべての不妊治療費 | 年間10万円超の医療費を所得控除 |
保険適用外となる先進医療や追加的な検査費用については、従来通り全額自己負担となるため、治療計画を立てる際は総費用を事前に確認することが重要です。
5. 成功率とステップアップのタイミング

5.1 年齢別の妊娠率データ比較
不妊治療の成功率は年齢によって大きく左右されるため、治療選択の重要な判断材料となります。
| 年齢 | 人工授精の妊娠率(1回あたり) | 体外受精の妊娠率(1回あたり) |
|---|---|---|
| 25~29歳 | 約8~10% | 約40~45% |
| 30~34歳 | 約7~9% | 約35~40% |
| 35~39歳 | 約5~7% | 約25~30% |
| 40~42歳 | 約3~5% | 約15~20% |
| 43歳以上 | 約1~3% | 約5~10% |
35歳を境に妊娠率が大幅に低下するため、年齢を考慮した治療計画が重要です。特に40歳以降では、両治療ともに成功率が著しく低下するため、より効率的な治療選択が求められます。
5.2 人工授精から体外受精へのステップアップ目安
人工授精から体外受精への移行タイミングには、一般的な目安があります。
人工授精を4~6回実施しても妊娠に至らない場合、体外受精への移行を検討するのが標準的です。ただし、以下の条件によってタイミングは変わります:
- 35歳未満:人工授精6回まで継続可能
- 35~39歳:人工授精4~5回で移行検討
- 40歳以上:人工授精2~3回で早期移行を検討
累積妊娠率の観点から見ると、人工授精の妊娠例の約90%が6回以内で妊娠しているため、6回を超えての継続は効果が期待しにくいとされています。
また、以下の状況では早期のステップアップが推奨されます:
- 卵管の通過性に問題がある場合
- 精子の運動率が著しく低い場合
- 原因不明不妊で治療歴が長い場合
5.3 治療選択の基準
専門機関では、以下の基準に基づいて治療法の選択を推奨しています。
人工授精が適している条件:
- 排卵障害が主な原因で、排卵誘発剤で改善される場合
- 軽度の男性不妊(精子濃度1000万/ml以上、運動率30%以上)
- 頸管粘液分泌不全
- 原因不明不妊で年齢が35歳未満
体外受精が推奨される条件:
- 両側卵管閉塞または卵管機能不全
- 重度の男性不妊
- 子宮内膜症(中等度以上)
- 人工授精を複数回実施しても妊娠しない場合
- 高年齢(38歳以上)での治療開始
治療選択では、年齢、不妊期間、不妊原因、過去の治療歴を総合的に評価することが重要です。特に時間的制約がある高年齢の場合は、より成功率の高い治療法を早期に選択することで、妊娠の可能性を最大化できます。
6. どちらを選ぶべき?治療選択の判断基準

6.1 不妊原因による選択の違い
人工授精と体外受精の選択は、不妊の原因によって大きく左右されます。それぞれの治療法が適している症状を理解することで、より効果的な治療選択が可能になります。
| 不妊原因 | 人工授精が適している場合 | 体外受精が推奨される場合 |
|---|---|---|
| 男性因子 | 軽度の精子濃度低下・運動率低下 | 重度の精子異常・無精子症 |
| 女性因子 | 軽度の排卵障害・頸管粘液異常 | 卵管閉塞・重度子宮内膜症 |
| 原因不明 | 基本的な検査で異常なし | 人工授精6回以上で妊娠に至らない |
卵管の通過性が良好で排卵機能に問題がない場合は人工授精から開始することが一般的です。一方、卵管に問題がある場合や、男性の精子に重篤な異常がある場合は、最初から体外受精を選択することが効率的とされています。
6.2 年齢を考慮した治療選択
女性の年齢は妊娠率に大きく影響するため、治療選択において重要な判断材料となります。特に35歳以降では卵子の質の低下が顕著になるため、治療方針の見直しが必要です。
| 年齢 | 推奨される治療アプローチ | ステップアップの目安 |
|---|---|---|
| 20代後半~32歳 | 人工授精から開始可能 | 6~8回実施後に検討 |
| 33歳~37歳 | 人工授精3~6回程度で検討 | 3~6回実施後に検討 |
| 38歳以上 | 体外受精を早期検討 | 1~3回実施後に検討 |
40歳以上の場合は時間的猶予が少ないため、初回から体外受精を検討することも珍しくありません。年齢と妊娠率の関係を正しく理解し、限られた時間を有効活用することが重要です。
6.3 パートナーとの話し合いのポイント
治療選択は夫婦二人で決める重要な決断です。お互いの価値観や希望を尊重しながら、現実的な治療計画を立てることが成功への近道となります。
身体的負担の許容範囲について話し合うことから始めましょう。人工授精は自然妊娠に近く負担が軽い一方、体外受精は注射や採卵などの負担があります。女性パートナーがどの程度の負担まで受け入れ可能かを確認することが大切です。
経済的な準備も重要な検討事項です。人工授精は1回あたり1万円~3万円程度ですが、体外受精は保険適用でも1回あたり10万円~30万円かかります。治療にかけられる予算と期間を明確にし、無理のない範囲で計画を立てましょう。
治療期間中のメンタルサポートについても話し合っておきましょう。人工授精は通院頻度が少なく精神的負担は軽めですが、体外受精は頻繁な通院と結果への不安でストレスが増加します。お互いの感情を共有し、支え合える関係性を築くことが治療継続の鍵となります。
最後に、治療の終了点についても事前に決めておくことをお勧めします。何回まで挑戦するか、いつまで続けるかを明確にすることで、迷いなく治療に専念できる環境を作ることができます。
7. 当事者の体験談から学ぶ治療選択

不妊治療を経験した多くの夫婦の声から、治療選択における実際の判断基準や心境の変化を学ぶことができます。それぞれの治療法を選択した理由や体験を通じて、自分たちに適した治療選択のヒントを見つけましょう。
7.1 人工授精を選択した夫婦の体験談
人工授精を選択した夫婦の多くが挙げる理由として、自然妊娠により近い形での治療を希望したという点があります。特に軽度の男性不妊や排卵障害がある場合、まず負担の少ない治療から始めたいという考えが強く見られます。
実際の体験では、通院頻度が比較的少なく、日常生活への影響が最小限に抑えられたという声が多く聞かれます。また、経済的な負担を抑えながら治療を継続できたことで、精神的な余裕を保てたという意見も見られます。
| 選択理由 | 体験内容 | 結果への評価 |
|---|---|---|
| 身体への負担軽減 | 日常生活にほとんど支障なし | ストレスが少なく継続しやすい |
| 費用面での安心感 | 治療費が予算内で管理可能 | 長期的な治療計画が立てやすい |
| 自然妊娠への憧れ | 体外での操作が最小限 | 妊娠への納得感が高い |
7.2 体外受精を選択した夫婦の体験談
体外受精を最初から選択した夫婦の背景には、重度の不妊原因が判明していたケースが多く見られます。卵管閉塞や重度の男性不妊、高度な排卵障害などがある場合、早期の体外受精選択により時間的なロスを避けたという声があります。
治療過程では身体的負担の大きさを実感しつつも、受精の確認ができることで安心感を得られたという体験談が多く聞かれます。また、複数回の採卵により胚を凍結保存できることで、将来への備えができたという前向きな評価もあります。
一方で、ホルモン治療による体調変化や通院回数の多さに戸惑いを感じたという率直な声も見られ、パートナーとの連携の重要性を実感したという意見が共通しています。
7.3 ステップアップした夫婦の体験談
人工授精から体外受精へステップアップした夫婦からは、治療方針の変更に対する心境の変化について多くの学びを得ることができます。多くのケースで、人工授精5-6回後のステップアップが一般的なタイミングとなっています。
ステップアップの決断理由として最も多いのは、人工授精での結果が得られなかったことに加え、年齢的な焦りや時間的制約を感じたことです。特に35歳以上の女性では、妊孕性の低下を考慮して早めのステップアップを決断したという体験談が目立ちます。
| ステップアップのタイミング | 決断の理由 | 心境の変化 |
|---|---|---|
| 人工授精3回後 | 年齢的な不安(38歳以上) | 積極的な治療への転換 |
| 人工授精6回後 | 標準的なステップアップ時期 | 治療への理解が深まった |
| 人工授精1年後 | 原因不明不妊への対応 | より確実な方法への期待 |
ステップアップ後の体験では、治療の複雑さに戸惑いつつも、より詳細な検査結果により不妊原因が明確になったことで治療への納得感が高まったという声が多く聞かれます。また、人工授精での経験が体外受精での心構えに役立ったという前向きな評価もあります。
8. 信頼できるクリニックの選び方

8.1 人工授精に強いクリニックの特徴
人工授精治療において優れた成果を上げる施設には、いくつかの共通した特徴があります。まず重要なのは、精子調整技術の精度と品質管理体制です。精子の洗浄・濃縮技術が高く、運動率の良い精子を効率的に回収できる技術力を持っているかが成功率に直結します。
また、排卵誘発剤の使用経験が豊富で、個々の患者に最適な刺激方法を選択できることも重要な要素です。過剰刺激を避けながら適切な卵胞発育を促す技術は、経験値によって大きく左右されます。
治療環境面では、プライバシーが保護された待合スペースの確保や、感染予防対策の徹底など、患者が安心して通院できる環境整備も見逃せないポイントです。
| チェックポイント | 確認すべき内容 |
|---|---|
| 技術面 | 精子調整の成績、排卵誘発の経験値 |
| 設備面 | 培養室の管理体制、検査機器の充実度 |
| サポート体制 | 看護師による指導、心理的サポートの有無 |
8.2 体外受精の実績が豊富なクリニックの見極め方
体外受精治療では、より高度な技術と豊富な経験が求められます。胚培養士の技術レベルと在籍年数は、治療成績に大きく影響する要素の一つです。経験豊富な胚培養士が常駐し、培養環境の管理が徹底されているかを確認することが重要です。
成功率の透明性も重要な判断材料です。年齢別の妊娠率や生児獲得率を公開し、自施設での実際の治療成績を詳細に開示しているところは信頼度が高いと考えられます。
最新技術への対応状況も確認すべき点です。胚盤胞培養、凍結胚移植、着床前診断などの技術に対応しており、患者の状況に応じて最適な治療法を提案できるかどうかが重要です。
また、カウンセリング体制が整備されており、治療の各段階で十分な説明と心理的サポートを提供しているかも大切な要素です。
8.3 セカンドオピニオンの重要性
不妊治療において、セカンドオピニオンは治療方針を決定する上で極めて重要な役割を果たします。現在の治療方針に疑問を感じた場合や、治療効果が思うように得られない場合には、積極的に他の専門施設の意見を求めることをお勧めします。
セカンドオピニオンを求める際のタイミングとして、人工授精を6回程度実施しても結果が得られない場合や、体外受精を3回以上実施しても妊娠に至らない場合が一般的な目安とされています。
セカンドオピニオンを受ける際は、これまでの検査結果や治療履歴を整理し、具体的な疑問点や相談したい内容を明確にしてから相談することが重要です。
複数の専門家の意見を聞くことで、より客観的な治療選択が可能になり、患者自身の納得度も高まります。また、新しい治療選択肢や最新の技術についての情報を得られる可能性もあります。
| 相談のタイミング | 準備すべき資料 |
|---|---|
| 治療方針に疑問を感じた時 | 検査結果一覧、治療履歴 |
| 期待した効果が得られない時 | これまでの治療内容詳細 |
| 治療のステップアップ時 | 夫婦の意向、今後の希望 |
9. まとめ
人工授精と体外受精の選択は、不妊の原因、年齢、費用、身体的負担などを総合的に考慮して決める必要があります。人工授精は身体への負担が軽く費用も抑えられますが、体外受精は成功率が高く幅広い症例に対応可能です。まずは医師と十分相談し、パートナーとも話し合いながら、自分たちに最適な治療法を選択することが大切です。
和歌山の不妊治療・妊活専門鍼灸院矢野鍼灸整骨院では不妊治療専門の鍼灸で
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【この記事を書いた人】
矢野泰宏(やの やすひろ)
鍼灸師/不妊鍼灸専門家
和歌山・矢野鍼灸整骨院院長
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