『ステップダウン』という選択肢がある場合も…不妊治療でステップダウンできる条件は？　矢野鍼灸整骨院｜和歌山県和歌山市 不妊鍼灸専門の矢野鍼灸整骨院

『ステップダウン』という選択肢がある場合も…不妊治療でステップダウンできる条件は？　矢野鍼灸整骨院

不妊治療はタイミング療法から人工授精、体外受精へと「ステップアップ」していくのが基本です。

しかし、まれに「ステップダウン」することで妊娠するケースもあります。

体外受精を何度トライしてもダメだったのに、人工授精に切り替えたとたんに妊娠した…そんな奇跡のような事も実際に起こっています。

しかし、ステップダウンをするには一定の条件があります。

何より、ステップダウンをすると妊娠できる確率は下がります。

ステップダウンは家族や医師とよく話し合い、冷静に考えた上で決断しましょう。

ステップダウンとは？

妊活のステップダウンとは、高度不妊治療（体外受精、顕微授精など）から一般不妊治療（タイミング療法、人工授精）に戻すことです。

確率だけで考えると、1回移植すれば5％～40％以上の可能性がある高度不妊治療から、数パーセント以下まで下がる一般不妊治療に移行するのはマイナスに見えます。

しかし、「体外受精の環境に耐えられない受精卵も、卵管の中なら無事に育つ」という仮説を立てて実践している病院もあります。

ステップダウンは妊娠率が下がるため、すべての病院で推奨されるとは限りません。

ステップダウンできる人、できない人

ステップダウンをして妊活を続けるのは、自然妊娠がある程度期待できるカップルに限られます。

具体的には

・卵管に詰まりがない

・排卵ができる

・精子量、運動率に異常なし

などが挙げられます。

もし上記でトラブルがあれば、ステップダウンをしても妊娠はほぼ望めません。

妊活を希望されるなら体外受精など、高度不妊治療を続ける必要があります。

卵管に詰まりがなく、きちんと精子や卵子が通れるならステップダウンでも妊娠できる可能性はあります。

戦前から日本では45歳以上で自然妊娠、出産したケースが複数報告されています。

出典：厚生労働省　令和３年度「出生に関する統計」の概況（6ページ）
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/tokusyu/syussyo07/dl/gaikyou.pdf

これは妊娠、出産を繰り返した時代に、卵巣の中にいる卵母細胞が温存されていたためです。

晩婚化が進む現在とは状況が全く異なりますが、排卵がある限り、妊娠の可能性はゼロではないのです。

平成17年からこの世代の出生率が上がっているのは、まさに不妊治療のたまものでしょう。

ステップダウンでも排卵周期が不安定な方は、排卵誘発剤などで排卵しやすい環境を整えます。

妊娠が継続しやすいように、黄体ホルモン剤を服用することもあります。

ステップダウンにも段階があります

ステップダウンと一言で言っても様々なステージがあります。

通院しながらタイミングや人工授精を行う、通院を辞めて自己流のタイミングに切り替えるなど、さまざまです。

「まだ赤ちゃんを諦めたくない」という方は、通院を続けながらのステップダウンのほうが、妊娠率は上がります。

妊娠する確率は下がってもゼロにはならないのが、ステップダウンの特徴です。

・通院を続けながら一般不妊治療を行う

ステップダウンはしたけれど妊活を諦めたくない方、排卵障害などトラブルがある方に向いています。

通院は続きますが、治療費は体外受精に比べてはるかに安価になります。

投薬も減り、身体への負担が下がるのも利点です。

デメリットは通院が続くことです。

感染症のリスクを抱えながら通院するのは、精神的にもかなりの負担になります。

日常生活の過度な負担にならないように、息抜きをしながら続けていきましょう。

・自己流にする

通院も辞めて、完全に自己流でタイミングを取る方法です。

男女とも（加齢以外に）妊娠機能に問題がない場合は、妊娠できることもあります。

最大のメリットは通院ストレスから解放されることです。

基礎体温表を測ること以外の手間がなく、医療費が不要になるのは大きなメリットでしょう。

すべてを諦めたとたんに授かった、という話は決して珍しくありません。

不妊治療のストレスで妊娠しづらくなっていることもあるので、辞めたら妊娠した、というのはありえます。

デメリットは排卵検査薬など自費で購入するものが増えることと、妊娠率は通院するよりも下がることです。

通院しても妊娠率が低いのに、さらに下がるとなると、妊娠すること自体が奇跡のような確率になることは自覚しておくべきでしょう。

健康な女性も加齢で排卵しなくなる周期が出てきます。だんだんと排卵回数が減り、やがて閉経を迎えます。

閉経するまでは妊娠の可能性がありますが、可能性はどんどん下がることは紛れもない事実です。

妊活の終わりにも

ステップダウンは「妊活のスムーズな終え方」のステップとしても機能します。

「いきなり妊活を辞めるのは忍びないので、ステップダウンから徐々にフェードアウトする」

というのが、妊活の終え方としてはスムーズでしょう。

「これだけやって駄目なら諦められる」

という所まで頑張れば、これからの人生もきっと前向きに輝くでしょう！

参考サイト
婦人科ラボ　体外受精のやめ時を考えている人必見！「ステップダウン」とは
https://www.fujinka-lab.com/column-ivf-stepdown/

英ウイメンズクリニック　理事長コラム
https://www.hanabusaclinic.com/column/post_13/

IVFドクター.jp 40代の不妊治療で考える「ステップダウン」
https://ivfdoctor.jp/2021/01/06/40%E4%BB%A3%E3%81%AE%E4%B8%8D%E5%A6%8A%E6%B2%BB%E7%99%82%E3%81%A7%E8%80%83%E3%81%88%E3%82%8B%E3%80%8C%E3%82%B9%E3%83%86%E3%83%83%E3%83%97%E3%83%80%E3%82%A6%E3%83%B3%E3%80%8D/

このブログの執筆者
和歌山の不妊治療・妊活専門鍼灸院　院長　鍼灸師　矢野　泰宏

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