不妊の原因になる着床障害の３つの原因と治療法とは？　矢野鍼灸整骨院｜和歌山県和歌山市 不妊鍼灸専門の矢野鍼灸整骨院

不妊の原因になる着床障害の３つの原因と治療法とは？　矢野鍼灸整骨院

受精までは問題なくても、着床に何らかの問題があり妊娠に至らない状態を着床障害と呼びます。

従来から知られている原因はおおよそ「子宮のトラブル」「女性ホルモン不足」の2種類あります。

しかし、これらの症状がなくても着床障害が起こることは珍しくありません。

原因不明なことが多い障害ですが、近年は特殊な抗体や遺伝子などの影響があることが解明しつつあります。

今後はますます着床不全の治療が進むことが期待されます。

着床障害を起こす原因1「子宮のトラブル」

子宮、特に子宮内膜にトラブルがあり、受精卵が着床できないことがあります。

・子宮筋腫

子宮筋腫は、子宮の内部に良性のコブができる症状です。

30代以上の女性の約20～30％は子宮筋腫があると言われ、決して珍しい症状ではありません。

すべての子宮筋腫が妊娠の妨げになるわけではないですが、子宮内膜にできる「粘膜下筋腫」は着床障害になる可能性があります。

月経痛がひどい、経血が多い方は子宮筋腫がある可能性があります。

子宮造影検査や超音波検査などで判明するので、妊活の有無にかかわらず一度は婦人科を受診しましょう。

治療は、手術で取り除く、経口避妊薬や偽閉経療法（一時的に月経を止める）などがあります。

いったん筋腫のサイズを小さくしてから不妊治療を再開することもありますが、筋腫の大きさ、数など考慮して行います。

妊娠を目指すなら、治療でうまく筋腫と付き合いながら妊娠、出産を目指す必要があります。

・子宮内膜が薄い

子宮内膜は受精卵が着床して、赤ちゃんが生命維持をするために欠かせない場所です。

子宮内膜はある程度の厚さが必要で、6mm以下だと着床が難しくなります。

流産や中絶を何度も繰り返すと、掻把手術の後遺症で着床が難しくなることがあり、根本的な改善策はほとんどありませんでした。

近年では再生医療で子宮内膜の状態を改善する治療が確立しつつあります。

2024年2月現在は自費治療のため、治療費は非常に高額ですが、なすすべもない時代に比べて一歩前進しました。

クロミフェン（クロミッド）を使うと子宮内膜が一時的に薄くなることがあります。

ショックに思うかもしれませんが、服用を止めればやがてもとに戻るので、過度に不安になることはありません。

・子宮の奇形

子宮は、ミュラー管という管が2本融合して完成する臓器です。

胎児のころに完成しますが、うまく融合できずに奇形になることは珍しくありません。

全ての女性の5％ほどは子宮奇形と言われ、奇形があっても普通に妊娠、出産できることも多いです。

しかし着床障害や流産、早産などの原因になることがあり、中には手術が必要なこともあります。

双角子宮や重複子宮、単角子宮、弓型子宮など様々な種類があり、対策が異なります。

着床障害を起こす原因2「黄体ホルモン不足」

黄体ホルモン、プロゲステロンは、妊娠しやすい環境を整える大事な女性ホルモンです。

基礎体温を上げ、子宮内膜を着床しやすいように改善します。

この時期に受精卵が子宮内膜に届くと着床し、妊娠が成立します。

黄体ホルモンの分泌が下がると（黄体機能不全）排卵後～次の月経までの期間が短くなることがあります。

高温期の基礎体温がガタガタになることもあるので、基礎体温表を付けて気づくこともあります。

ただし基礎体温が不安定なのはストレスや急激な気温低下なども影響するため、あくまで目安に過ぎません。

確定させるためには、高温期に血液検査を受けることが確実です。

黄体ホルモン剤の服用やｈCGの筋肉注射などで、不足するホルモンを補充します。

着床を妨げる抗体や、遺伝子が関連する可能性

着床障害は解明されていない点が多く、今まで紹介した原因以外でも発生していることは珍しくありません。

近年は着床障害の原因に迫る研究が発表され、話題になりました。

特に、2023年に山梨大学が発表した「反復着床不全の原因に特殊な抗体、ネオセルフ抗体が関与」は、大きなニュースになりました。

ネオセルフ抗体は炎症などで発生する抗体（免疫）で、血栓症などの原因にもなります。

何度移植しても妊娠が成立しない「反復着床不全」の方は、ネオセルフ抗体陽性者が陰性者の2.9倍もあることが分かりました。

まだ仮説の域ですが、子宮内膜の血管壁にネオセルフ抗体と抗原が潜み、これが着床を妨げていると考えられています。

たとえ着床しても胎盤に血栓ができて、流産するリスクもあります。

ネオセルフ抗体を抑える治療はまだ確立されていませんが、血栓を防ぐためにはアスピリン服用は有効とされています。

着床不全の全容解明はまだ終わっていませんが、抗体や遺伝子など様々な原因があることが示唆されています。

原因が分かれば治療法も確立しやすくなるため、今後の研究にも期待します。

着床には子宮の血流も大切です！

最近の不妊治療の研究では、子宮の血流が良いほうが着床率が高いということがわかってきています。

詳しくは↓のブログをお読みください。

不妊治療の胚移植で着床率を上げるために超重要な子宮の〇〇とは？

https://x.gd/ZjDdr

矢野鍼灸整骨院では着床率がアップするように、お腹の血の巡りを良くする治療や子宮の血流を改善する鍼灸治療をおこなっていきます。

またお家で着床率をあげることのできるセルフケアのお灸もお伝えしております。

不妊治療・妊活でお悩みの方は、ぜひ一度ご相談ください。

ご予約・ご相談はこちらからLINE、メール、お電話でご連絡をお願いします。

参考サイト
日本産婦人科学会　子宮筋腫とは
https://www.jsog.or.jp/modules/diseases/index.php?content_id=8

メディカルノート　子宮奇形とは？ 女性の5％ほどにみられる病気
https://medicalnote.jp/contents/141231-000001-ZFSCCL

不妊治療の着床不全に特殊な抗体が関与 山梨大ら解明
https://scienceportal.jst.go.jp/newsflash/20230703_n01/

不妊となる着床不全はある遺伝子の発現量低下が原因 東京医科歯科大が解明
https://scienceportal.jst.go.jp/newsflash/20160413_01/index.html

このブログの執筆者

和歌山の不妊治療・妊活専門鍼灸院　矢野鍼灸整骨院　院長　鍼灸師　矢野　泰宏