不妊治療のホルモン薬で太るのは本当？本当の理由は別にある可能性も　矢野鍼灸整骨院｜和歌山県和歌山市 不妊鍼灸専門の矢野鍼灸整骨院

不妊治療のホルモン薬で太るのは本当？本当の理由は別にある可能性も　矢野鍼灸整骨院

「不妊治療は太る」という話は珍しくありません。

これは本当でしょうか？

不妊治療で良く使われる「黄体ホルモン剤」は、水分を貯めこむ作用があります。

そのため身体がむくみやすく、1～2キロほど太ることがあります。

しかし、それは「肥満」ではありません。「太る」の定義をはっきりさせると、不妊治療のメリットとデメリットが見えてきます。

黄体ホルモン剤の副作用で「太る」ことも

不妊の原因のひとつに、黄体ホルモン不足があります。

黄体ホルモン（プロゲステロン）とは、排卵が終わった卵胞のカラから分泌される女性ホルモンです。

体温を上げる、水を貯めこみやすくなる、なんとなく眠くだるい、など妊娠しやすい身体作りには欠かせません。

せっかく受精、着床しても、黄体ホルモンが不足すると妊娠を維持する力が弱くなり、初期流産するリスクがあります。

そのため不妊治療ではデュファンストンなど、黄体ホルモン剤を服用するのが一般的です。

黄体ホルモン剤を服用すると、基礎体温表が絵に描いたような理想的なグラフになるので、その威力は実感できるでしょう。

基礎体温が上がるため、冷え解消にも一定の効果が期待できます。

しかし、黄体ホルモン剤は良いことばかりではありません。

最もよく使われる黄体ホルモン剤、デュファンストンの副作用には「むくみ・体重増加」「便秘」などがあります。

むくみで水分が体内に貯められて、体重が増えることはありえます。

妊娠すると便秘をしやすくなりますが、これは流産を防ぐために腸の動きが鈍くなるためです。

便秘でも体重が増えることがあるのは、ご自身でも経験があるでしょう。

便秘を解消するには食物繊維の適度な摂取と、運動が効果的です。

それでも改善しない時は、酸化マグネシウム錠など腸を刺激しない下剤を適量使用して、便に水分を含ませるのも一つの方法です。

不妊治療を受けている医師に相談の上、改善方法を探していきましょう。

「適正体重」を「太る」と思っている可能性も

妊娠するのに理想的な体重は、女性はBMI22前後とされています。

BMI22は、身長160cmの女性なら体重57kg前後に相当します。

身長160cmで体重57kgは太っているでしょうか？痩せているでしょうか？

美容的には40kg台が痩せて美しいとされていますが、命と妊娠力を削っていると言わざるを得ません。

せめて妊活期間だけは「医学的に適正な体重」を維持しましょう。

体重が少なすぎると女性ホルモンのエストロゲンの分泌量が減り、排卵障害が起こりやすくなります。

エストロゲンは卵巣だけでなく、脂肪からも分泌されます。

その脂肪が少なすぎるとエストロゲンの量も減ってしまいます。

エストロゲンは卵胞を育てるために欠かせません。

BMI22前後まで体重が増えるのは太ったのではなく、「適正体重になった、妊活向きの体質になった」と考えましょう。

ストレスで過食になる可能性も

しかし、中には適正体重以上に太ってしまう方もいます。

黄体ホルモン剤の副作用でむくみがありますが、1～2キロ増える程度です。

それ以上に太るのは黄体ホルモン剤の副作用というよりも、ストレスなどで過食に陥っている可能性があります。

痩せすぎは良くないですが、（医学的に）太りすぎも妊活に悪影響があります。

BMI30以上の肥満になるとPCOS（多嚢胞性卵巣症候群・卵子の予備軍が多すぎて卵子の選別ができず、排卵障害が起こる症状）を起こしやすくなります。

適正体重の範囲なら増減しても良いのですが、過剰に太るのは避けましょう。

ストレスと付き合うのは難しいですが、過剰摂取を防ぐなら「糖尿病の食事療法」を守るのが健康的です。

比較的手軽に「健康的な食生活」ができる指導法が多く、糖尿病でない方にもおすすめの食事法です。

・ベジファースト（まず食物繊維が多い野菜類から食べて、食べ終わってから炭水化物を摂る食事法）を心がける

・食事はバランス良く、3食決まった時間に

・腹八分目を心がける

・炭水化物ばかりの食事は避ける。

たとえばパン＋ジュースの食事ではなく、サンドイッチ＋牛乳＋ささみ肉とサラダなどを加えると、炭水化物・脂肪・ビタミンがバランス良く摂取します。

うどん、そばは美味しいですが、ひじき煮やサラダなど食物繊維が豊富なメニューを選びましょう。

おにぎり、天ぷらの追加は極力控えます。

・アルコール類、フルーツはほどほどに

・甘いものが食べたい時は、食事と一緒に摂る

これは肥満を防ぐだけでなく、痩せすぎを防ぎ、適正体重を維持する上でも有効な食事法です。

不妊治療で「太る」という話は、「むくみや便秘などで数キロ太る」「医学的な適正体重になる」という意味では正解です。

治療ストレスなどで過食に陥ることも、珍しくありません。

治療が原因で適正体重より太ってしまうと不安になるなら、ぜひ医師に相談しましょう。

薬の変更や投薬の方法を変えることで、過食が収まる可能性もあります。

（参考サイト）
IVFドクター　不妊治療薬って太りませんか？（医師監修）
https://ivfdoctor.jp/2020/06/12/%E4%B8%8D%E5%A6%8A%E6%B2%BB%E7%99%82%E8%96%AC%E3%81%A3%E3%81%A6%E5%A4%AA%E3%82%8A%E3%81%BE%E3%81%9B%E3%82%93%E3%81%8B%EF%BC%9F/

日経メディカル処方薬事典　デュファストン錠5mgの基本情報
https://medical.nikkeibp.co.jp/inc/all/drugdic/prd/24/2478003F1031.html

ヒロクリニック　妊活中の体づくり～理想の体重は？【医師監修】
https://www.hiro-clinic.or.jp/nipt/pregnancy-weight-management/#c4

さくら内科クリニック　糖尿病の食事療法
https://sakura-naika.clinic/%E7%B3%96%E5%B0%BF%E7%97%85%E3%81%AE%E9%A3%9F%E4%BA%8B%E7%99%82%E6%B3%95

このブログの執筆者

和歌山の不妊治療・妊活専門鍼灸院　矢野鍼灸整骨院　院長　鍼灸師　矢野　泰宏

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