体外受精の妊娠率は自然妊娠の数倍以上！最大40％ほど　矢野鍼灸整骨院｜和歌山県和歌山市 不妊鍼灸専門の矢野鍼灸整骨院

体外受精の妊娠率は自然妊娠の数倍以上！最大40％ほど　矢野鍼灸整骨院

体外受精の妊娠率は100％だろうと思う方がいるかもしれません。

実際はどれだけの確率でしょうか？

女性の年齢や胚の状態で大きく左右されますが、最高の条件を重ねても40％強ほどです。

きちんと受精して、胚盤胞まで育った胚を移植するので確実に育つと思うのですが、それでも100％ということはありません。

妊娠が成立する、というのがどれだけ複雑なシステムなのか、実感できる確率でしょう。

それでも体外受精（顕微授精）は、自然妊娠に比べて数倍の確率があります。

ヒトの自然妊娠率は年齢によって左右されますが、最大で15～20％ほどです。

体外受精は、年齢によって成功率が大きく変わります。

妊娠率と女性の年齢は深く関わっています。

これは卵子の元になる細胞が、女性が産まれる前に完成して、以後はその細胞を使い続けるからです。

20歳の女性なら卵子の年齢は21歳、35歳の女性なら卵子の年齢は36歳です。

細胞は長生きすればするほど細胞分裂する時にエラーが起こりやすくなり、妊娠しづらくなります。

そして、卵子の在庫が尽きると閉経を迎えます。

1回の体外受精で妊娠する確率は、以下のとおりです。

この数値は胎嚢（たいのう。赤ちゃんが育つ袋）が確認できた数値であり、出産率はさらに低いことはご留意下さい。

26歳が一番高く、48％になります。

33歳ごろまでは40％代半ばですが、34歳になると43.1％、38歳で38.4％、40歳で29.2％まで下がります。

40歳以降は一気に妊娠率が下がり、43歳で16.4％、45歳で8.4％という結果になります。

出典：日本産科婦人科学会ARTデータブック2020年（PDF注意）
https://www.jsog.or.jp/activity/art/2020_ARTdata.pdf

妊活はできるだけ若いうちに始めよう、というのは認知が広がりましたが、体外受精など高度不妊治療においても同じことが言えます。

どれだけ医学の技術が進んでも、現時点ではまだ卵子の老化というハードルはクリアできません。

卵子の老化はすべての女性に訪れる不妊原因で、この根本が改善されない限りは「治療は早めに」という原則は変わりません。

体外受精の妊娠率は、自然妊娠の数倍

それでは自然妊娠の確率はどれほどでしょうか？

夫婦とも妊娠する力（妊孕性）に問題がなければ、3か月で約50％、6か月で70～80％、12か月で約90％の方が妊娠します。

以前は「妊活を始めて1年間妊娠しない場合は病院へ」と言われていましたが、1年経っても妊娠しない場合は、高い確率で何らかの影響があると考えられるためです。

「何らかの影響」には妊娠するタイミングに性交をしていない、ということも含まれます。

不妊治療の初めに行う「タイミング療法」は妊娠しやすい適切なタイミングを内診や血液検査などで調べ、適切なタイミングで性交することで妊娠を目指します。

この方法なら最低限の加療だけで行えるので、薬などに抵抗がある方でも受けやすい治療です。

自然妊娠率は3か月で約50％なので、1か月なら約15～20％ほどと考えられます。

調査した対象年齢は不明ですが、おそらく女性が35歳未満の統計と思われます。

36歳以上の女性の場合は、さらに確率が下がると考えたほうが良いでしょう。

日本産科婦人科学会では「おおむね1年」という目安はありますが、「一定期間を待たないですぐに治療したほうが効果的である場合もあります」と表明しています。

具体的には、半年後くらいがひとつの指針になるでしょう。

「女性が35歳以上の場合は、妊活して半年後に病院の受診」を推奨する病院が増えています。

体外受精なら最大48％なので、体外受精の妊娠率は自然妊娠率に比べて、おおよそ2～3倍が目安と考えると良いかもしれません。

もちろん年齢によって大きく左右されるのは、言うまでもありません。

体外受精も万能ではないので、治療の決断は早めに

2022年より体外受精の保険適用が始まりました。

今まで金銭面で諦めていたカップルでも体外受精が受けやすい環境が整っています。

（ただし、オプション料金は実費です。取捨選択せずにあれもこれもとオプションを付けると、大きな金額になることは考慮すべきでしょう）

体外受精というのは人工的に子供を作り出すようなものと誤解している人がいますが、それは大きな間違いです。

体内で起こる受精、受精卵の分裂と孵化までの歩みをお腹の外で行っているに過ぎません。

生命の営みと成長のプロセスは自然妊娠でも、体外受精でも同じです。

もちろん、お腹の外でそれを実行するためには高度な技術力と設備が必要です。

しかし生命の根幹はなにも変わりません。

不妊の原因はとても多いのですが、たとえば抗精子抗体（精子を攻撃する免疫を持っている）がある場合でも、体外受精なら妊娠できる可能性があります。

受精卵なら免疫が「自己」と判断し、攻撃しないためです。

卵管が詰まって卵子や精子が通れない場合も、体外受精なら解決します。

原因がはっきりしない不妊でも、体外受精をすると成功するケースがあります。

「体内で起こる、複雑な妊娠へのプロセスの一部を体外で行うこと」で解決できることは少なくありません。

そのため体外受精の期待は高まりますが、過度に期待しすぎるのも問題だと思います。

体外受精も治療の一つなので、早ければ早いほど成功率が上がります。

（参考サイト）
日本産科婦人科学会ARTデータブック2020年（PDF注意）
https://www.jsog.or.jp/activity/art/2020_ARTdata.pdf

公益財団法人　日本産科婦人科学会「不妊症」
https://www.jsog.or.jp/modules/diseases/index.php?content_id=15

三軒茶屋ARTレディースクリニック　自然妊娠とは
https://sancha-art.com/column/natural-pregnancy

このブログの執筆者
和歌山の不妊治療・妊活専門鍼灸院　矢野鍼灸整骨院　院長　鍼灸師　矢野　泰宏

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