体外受精も保険適用開始！1ヵ月に必要な費用は大きく抑えられます。ただし注意点も… 矢野鍼灸整骨院｜和歌山県和歌山市 不妊鍼灸専門の矢野鍼灸整骨院

体外受精も保険適用開始！1ヵ月に必要な費用は大きく抑えられます。ただし注意点も… 矢野鍼灸整骨院

令和4年（2022年）4月から、体外受精の保険適用が始まりました。

以前は1回の体外受精で何十万円の費用が必要でしたが、これからは高額医療費控除の額で受けることができます。

「予算がなくて体外受精にチャレンジできない」

というご家庭でも、体外受精が受けやすくなりました。

ただし、高額医療費控除には注意する点がいくつかあります。

月単位で計算されるため、月をまたぐと控除の上限ギリギリの額を請求されます。

所得によりますが、高額所得者は合計、数十万円の出費になる可能性があります。

このコラムでは3割負担の金額を表示しています。

金額は2023年7月現在のものです。

料金の詳細は担当クリニックの医療事務の方にお尋ね下さい。

1回の体外受精で費用はどれだけ必要？

体外受精は、採卵～培養～移植と3つのステップがあります。

体外受精で採卵から移植まで行う場合、費用はどれだけ必要でしょうか。

病院によって費用は若干変わります。

ここではある病院の料金を紹介します。

出典：英ウイメンズクリニック　治療費用
https://www.hanabusaclinic.com/infertility/fee/

＜全体で必要な費用＞

生殖補助医療管理料（月1回）　900円

体外受精費　12,600円

＜採卵＞

採卵費用（数によって異なる）　7,200円～21,600円

＜培養＞

初期胚培養（数によって異なる）　　13,500円～31,500円

胚盤胞まで育った加算（数によって異なる）　4,500円～9,000円

胚凍結管理料　導入時（数に寄って異なる）　15,000円～39,000円

胚凍結管理　保存更新料（2年以降、年に一度）　10,500円

＜移植＞

新鮮胚移植の場合　22,500円

凍結胚移植の場合　36,000円

例えば

・初めての体外受精で10個採卵できた

・1つの初期胚、5つの胚盤胞が育った

・4つの胚盤胞を凍結保存する

・新鮮胚を移植

以上の場合は、おおよその料金は以下になります。

管理費900円＋体外受精費　12,600円＋採卵21,600円＋初期胚培養6つ25,200円＋胚盤胞5つ6,000円＋凍結費4つ21,000円＋新鮮胚移植　22,500円
＝87,120円

なお、これ以外にもさまざまなオプション、診察費用が加算されるため、実際の費用は10万円を超えるでしょう。

自費の時代には50万円近くしたことを鑑みても、費用がとても下りました。

知らないと後で驚くことも…保険適用の注意点

日本の医療制度は世界有数の優秀なシステムで、医療費が高額になっても所得に応じて上限額があります。
（保険適用のみ、自由診療は除外されます）

たとえば、標準報酬月額28万〜50万円の方（年収370～770万円に相当）が保険被保険者の場合、1ヵ月分の自己負担限度額は以下のようになります。

80,100円+(医療費-267,000円)×1％

医療費が10万円の場合は
80,100円+(100,000円-267,000円)×1％＝78,430円が上限額になります。

上限額は、所得に応じて5つの区分に分けられます。

詳細は以下をご参照下さい。

全国健康保険協会　医療費が高額になりそうなとき（限度額適用認定）
https://www.kyoukaikenpo.or.jp/g3/sb3020/r151/

ただし、以下の点に注意して下さい。

・対象は保険診療のみ、1ヵ月ごとの上限額です

治療を行った初日の月に請求された保険診療額の額のみ適用されます。

採卵から移植までは、月をまたいで治療を行うのが一般的です。

そのため、限度額に達しないことがあります。

始めの月に78,430円支払い、次の月にも78,430円支払う可能性があります。

不妊治療は終わりが見えないマラソンのようなものです。

保険適用されて間口は広がりましたが、決して安価なものではありません。

さらに金額の上限があるのは保険適用の診療だけで、自由診療は対象外です。

体外受精は自由診療のオプションが多いので、治療計画を作る際はよく料金表を確認して下さい。

・「限度額適用認定証」が必要（マイナンバーカード保険証を使う場合は不要）

現行の保険証を使っている場合、加盟している健康保険組合に「限度額適用認定証」の発行を申請する必要があります。

認定証がない場合は、いったん全額支払った後で申請後に差額を返金という形になります。

後で戻って来るとはいえ、かなりの負担になります。

マイナンバーカードに登録した保険証を使う場合は、この作業は必要ありません。

自動的に高額医療費制度が適用されます。

マイナンバーカード登録にはトラブルもあるようですが、高額な治療を受けている方は登録した方が便利です。

e-taxと連動して確定申告が手軽になるのも、マイナンバーカード保険証の魅力です。

マイナンバーカード保険証はクリニックの窓口で登録できます。

窓口が空いている時に申請しましょう。（マイナンバーカード、健康保険証が必要。詳しくは窓口でご確認下さい）

詳細は以下で確認できます。

厚生労働省　マイナンバーカードの健康保険証利用について（※PDF注意）
https://www.mhlw.go.jp/content/10200000/000577618.pdf

・回数制限がある

体外受精の保険適用には、女性の年齢に応じて回数制限があります。

40歳未満の女性は1子あたり通算6回まで、40歳以上43歳未満の女性は1子あたり通算3回までしか保険適用されません。

たとえば35歳の女性が6回の体外受精で子供を出産し、第2子を希望して40歳で6回体外受精にチャレンジする場合、40歳のうち3回は自費治療になります。

これらの他にも、不妊治療には自費治療のオプションが多数あります。

次回は2023年7月現在、保険適用できない体外受精の種類と費用についてご紹介します。

（参考サイト）
京野アートクリニック仙台　保険適用価格一覧表
https://ivf-kyono.jp/hoken_fee/

厚生労働省　不妊治療に関する取組
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kodomo/kodomo_kosodate/boshi-hoken/funin-01.html

このブログの執筆者

和歌山の不妊治療・妊活専門鍼灸院　矢野鍼灸整骨院　院長　鍼灸師　矢野　泰宏

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